自動車・ディーラー

エンゲージメント向上

2024年6月6日

LINE経由の問い合わせや来店予約などが前年比2倍に!LINEをフックに「所有離れ」を防ぐ。カーディーラー業界のDXを推進するトヨタモビリティ東京のマーケティング戦略とは

トヨタモビリティ東京株式会社

導入事例_トヨタモビリティ株式会社

カーシェアリングの普及や少子高齢化により、新車の販売台数が年々減少しているカーディーラー業界。同業界の成長には新規顧客の獲得と既存顧客との関係維持、両軸で収益を確保していく必要があります。

近年は年齢問わず多くのユーザーがWeb上で情報を収集し、日常的にSNSを利用しています。お客さまにとって最適なタイミングで情報提供をするために「デジタルでどうつながり続けるか」が急務です。そこで、企業の合併にともない、DXを推進するために、デジタル推進室を立ち上げたのがトヨタモビリティ東京の田中様です。本取材では、LINEをベースに、顧客とつながるカスタマージャーニーの再構築としての活用方法やその成果について、田中様、福田様、秋森様に詳しくお話を伺いました。

 

トヨタモビリティ東京株式会社
https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/

デジタル推進室 トヨタデジタル推進グループ
リーダー:田中 麻由実 様
主任:福田 愛実 様
主任:秋森 健人 様

課題

・所有離れによる新車の販売台数減少
・既存顧客の高齢化にともない、若年層の獲得が課題に
・人手不足により、電話問い合わせの対応などの業務効率化が求められていた

戦略/施策

・継続的に既存顧客との接点を持つことができるように、開封率が高く見込めるLINEをベースとしたCRMを取り入れる
・顧客情報に合わせたセグメンテーションを実施し、複数サービスから顧客ニーズに合わせた提案をすることにより、興味関心を継続させる
・お問い合わせ導線をLINE上に設置し、利便性向上によりデジタル上からの問い合わせ数を増加
・資料送付や簡易的な問い合わせについては、自動応答で対応し、スタッフの工数を削減と生産性を向上させる

効果

・LINEの友だち数が前年比で8,000人増加した
・LINE経由のカタログ請求、商談や試乗予約などのお問い合わせ数が昨年比2倍になった
・LINE登録を通じて若年層との接点を獲得、顧客獲得が進んだ

 

 

LINEを活用したDX推進により顧客体験向上とスタッフの業務改善実現へ

――貴社の事業紹介とご担当者さまのミッションについて教えてください。

田中様:トヨタモビリティ東京株式会社は、2019年4月1日にトヨタ東京販売ホールディングスと東京トヨタ自動車、東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京が合併し、誕生したカーディーラーです。車の販売や整備を主に、自動車リースや損害・生命保険、携帯電話の販売、また、モビリティに関する新しいサービスなど、幅広いサービスを提供しています。

私はデジタル推進グループのグループリーダーとして、ややデジタルの取り組みが遅れているカーディーラー業界で、他業界と同水準にデジタル化を進め、業務効率アップや顧客満足度向上を実現する取り組みをおこなっております。

福田様:私はデジタル推進グループでLINEの新規顧客獲得に向けた施策を中心に担当しています。LINEは、新たなユーザーを取り込み、つながり、長期的なコミュニケーションを取るだけでなく、自社顧客のフォローまでをワンストップでおこなえるツールを目指して運用しております。

秋森様:デジタル推進グループで友だち獲得をサポートしています。将来的には、自社で保有するお客さま情報とデータ連携して、よりパーソナライズしたサービスを提供したいと考えています。

――カーディーラー業界の現状と課題について教えてください。

田中様:ここ10〜20年ほど前から、「若者の車離れ」という言葉を耳にするようになりましたが、私たちは車離れではなく「所有離れ」ととらえています。車の販売だけではある時点で頭打ちになると予測していますが、長い目で会社の成長を考えると、若年層に車の魅力を伝え、いつか購入いただけるような取り組みが必要です。

一方、社内に視点を変えると業務効率化の面でも課題を抱えています。社員の高齢化と、新入社員の定着率低下により、スタッフ数は年々減少傾向にあります。

また、車の所有離れが進んだとしてもお客さまが急激に減少するわけではありません。アフターサービスの需要は長期的に発生するなか、スタッフ数の減少により一人ひとりの負担が増えており、なかには担当するお客さまの数が600人を超える営業スタッフも……。担当数が増えると、一人ひとりのお客さまに合わせた質の高い丁寧なサービスが困難となり、結果としてお客さまの満足度の低下や機会損失を起こしてしまうことになりかねません。

――MicoCloud導入前のマーケティング戦略について、その目的と狙いをお聞かせください。

田中様:新規顧客獲得と業務効率化を目的に、デジタルを有効活用しDXを推進するという目標を掲げ、デジタル推進室を立ち上げました。

弊社は5社が合併して一つの会社になったため、それぞれ特色や顧客層が異なります。顧客層を比較するとネッツとカローラは比較的若いお客さまが多く、トヨタとトヨペットは年齢層がやや高めのお客さまが多い。それゆえ個々の会社は戦略もバラバラでしたので、1つのチームとして立ち向かうために、まずは足並みを揃えることからはじめました。

自動車業界は「CASE」と呼ばれるIoT化、自動運転化、カーシェアリングの浸透、EV化といった100年に一度の大変革期に直面しています。早急にデジタルを活用した戦略に取り組んでいくべきだと考え、LINEを導入したのです。

*CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとり、自動車業界に変革をもたらす技術トレンドを示したキーワード

――戦略を推進するにあたり、MicoCloudを導入された理由について教えてください。

田中様:お客さまが欲しいときに欲しい情報を得られるデジタルの仕組みをつくろうと、お客さまの利便性が高く、セグメント配信ができるツールを探していました。以前は、LINEでいただいたメッセージに対しては人が個別に対応していたのですが、やはりレスポンスに時間もかかりますし、返信も営業時間に限られてしまっていました。もちろん、友だちが増えれば相応の人員も必要になります。「カタログが欲しい」「試乗車が見たい」などご要望も多くいただいておりまして、それに対して、果たしてお客さまに満足してもらえるほどの十分な対応をしていけるのだろうかという疑問がありました。

そこで、すべてのお客さまにご満足いただける対応について考えた結果、リッチメニューやチャットボット機能があるMicoCloudの導入に至りました。リッチメニューからお問い合わせができたり、簡易的な内容であればボットで迅速な回答ができたりする。しっかりした回答が必要な場合はお問い合わせフォームをご利用いただき人が対応するなど、使い分けて利用しています。

新規顧客の興味喚起と既存顧客の利便性向上の両立を図る

――MicoCloud導入後のマーケティング戦略とその目的について教えてください。

福田様:LINEを運用する目的は、以下の2つです。

・「新規顧客(若年層や潜在層)の興味喚起」

・「ユーザーの利便性向上、顧客対応業務の効率化」

新規顧客とは中長期でコミュニケーションを取り、顧客と「つながり続けること」を目指しています。既存顧客は50代が中心で、そのままでは将来売上が目減りするのは明らかです。今のうちから若年層とつながり、接点を維持し続ける必要があるのです。

車は高額商品で購入までの検討期間が長く、なおかつ頻繁に買い換えるものではありません。その点を踏まえ、すぐに車の購入を促すのではなく、自転車レンタルやカーシェアなど、弊社が提供する他のサービスをご利用いただき、トヨタモビリティ東京との関係を持ち続けることで、いざ車を購入したいときに弊社を想起していただくことを狙っています。

一方、LINEの活用範囲は、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の利便性向上、それにともなうコンバージョン率の向上、顧客対応業務の効率化の役割も担っています。

――具体的に、どのような施策を実施したのでしょうか?

福田様:新規顧客への施策では、キャンペーンやプレゼント、新車の案内などのコンバージョンを狙ったコンテンツだけではなく、ゲームやクイズなどの興味を持っていただける読み物系のコンテンツを増やしました。

 

LINEは気軽につながることができますが、その一方で、ブロックも容易にできてしまう。本来の目的である「つながりを維持し続けること」が将来的にコンバージョンを増やすことにつながると考えています。そのため、お客さまの反応を見ながら、コンバージョンを狙った内容と読み物コンテンツのバランスを取りながらコミュニケーションを取っています。

一方、業務効率化の観点では、お客さまの利用目的ごとにリッチメニューから問い合わせができる導線を作りました。LINEは電話と異なり、お客さまがご自身のタイミングで予約ができますし、営業スタッフは問い合わせ電話に対する工数を軽減できるという、両者にメリットがあります。

――コンバージョンのポイントがいくつかありますが、重視されているKPIを教えてください。

福田様:LINEのKPIに置いているのが、東京都内の友だち数と問い合わせの数、配信コンテンツにおける平均反応数です。新規顧客の獲得、既存顧客の利便性の向上の成果を図る上でコンバージョン数が重要ですが、配信対象となる友だち数が少なければ成果が最大化できないため、まずは友だちを増やすことに注力しています。

※配信コンテンツの反応率を上げるために、アンケートで友だち情報を可視化。悩みに沿った訴求をしている。

――友だち数を増やすために、どのような施策を実行されていますか

福田様:今はメルマガに登録していただいている約40万件の会員に対して、LINEへの移行を促しています。他部署が実施する施策との連携やキャンペーン情報との連動により、友だちを獲得する数が増えています。

現状、既存顧客の年齢層が高いこともあり、メルマガの開封率は30%と比較的高い数値がでています。

とはいえ、年月が経つにつれてメールを見ない世代が増え、この数値を維持することが困難になっていくことが予想されますから、今のうちからLINEへの登録を促しています。

問い合わせや入庫予約など、LINE経由のコンバージョン数の合計が前年と比べ2倍に増加!

――MicoCloudを導入しどのような成果を得られましたか。

福田様:カタログ・試乗・商談等の問い合わせや入庫予約など、LINE経由のコンバージョン数の合計が前年と比べて201%に増加しました。また、友だちの数は8,000人以上増加し、累計35,919人になっています(2023年度実績)。

今後、LINEの友だち数が増えるにつれて、コンバージョン数もさらに増加すると見込んでいます。

また予約導線や簡易見積もりなど、LINEがお客さまにとって利便性の高いツールとして確立しつつありますし、それが成果にも反映されたようです。

将来的には、LINE公式アカウント上に必要な情報をすべて集約し、予約や問い合わせなど一気通貫で完結できるハブとしての役割を構想しており、その土台を構築しているイメージです。

LINEで取得した情報と自社の顧客データを連携し、パーソナライズした体験を届けたい

――今後、お客さまへどのような価値提供をしていきたいですか。

福田様:既存顧客との関係を維持しつつ、新規顧客を獲得して関係性を構築し、ファンになっていただきたいですね。そのために、LINEの情報と顧客情報のデータを連携させ、お客さま一人ひとりの配信内容の最適化に取り組んでいきたいと考えています。

田中様:営業のスタッフは基本的に電話とメールでお客さまとやり取りしていますが、LINEで1to1のコミュニケーションができるようにしたいですね。

――MicoCloudのサポートについてはいかがでしょうか。

福田様:一番は、かゆいところに手が届くと言いますか、ご担当者さまのレスポンスが非常に速く対応がスムーズなところがすばらしいですね。瞬時に対応しなくてはならないことでも柔軟にサポートくださるので安心してお声がけできます。また、LINE社との関係も深く、知識や知見が他者と比べて豊富ですし、クリエイティブについてもサポートいただけるので、一気通貫でお任せできるのも魅力です。それは本当に大きな価値ですし、実際に弊社の業務効率も上がりました。

田中様:ちょっとした相談ごとも親身になって聞いてくださいますし、ディスカッションをしながら、私たちの要望をしっかり形にしてくださる。考えがまとまっていなくても、整理して前に進めてくださるので、とてもありがたい存在です。

――最後に、MicoCloudについてご意見やご要望をお願いします。

田中様:とにかくサポート体制が盤石で、無理を承知でご相談したことも確実にかなえてくださるので、本当に助かっています。また、逆にMicoCloudで実践したいことを教えていただいて、私たちのアカウントでトライアルしてもらうのもありかもしれません。そうやってお互い協力しながら、一緒に成長できるとうれしいです。

秋森様:LINEマーケティングツールを検討する際、MicoCloudのご担当者さまに私たちが実現したいことをお伝えしました。その内容を聞いて鵜呑みするのではなく、「こういうリスクもありますよ」とリスクも含めてご提案いただいたことが非常に印象的だったんです。この会社なら信用できると思いましたね。

福田様:MicoCloudは末長く歩んでいただきたい、よき伴侶のような存在です。データ連携などでもご支援いただきましたし、今後も機能を拡張して、より快適なサービスをお客さまへ提供するために帆走いただきたいです。

 

――ありがとうございました。

 

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