ターゲティング広告の種類としくみ、効果を発揮する活用方法

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ターゲッティング広告

集客マーケティング

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雑誌や屋外、電車の中吊り広告、テレビや新聞などのマス広告など、世の中には多様な種類の広告があります。しかし、これらの広告の多くは不特定多数に向けたものであり、多額の費用がかかります。

 

この課題を解決する広告手法がターゲティング広告です。

効果が計測しやすく、狙ったターゲットへの配信が可能なターゲティング広告は、自社製品のプロモーションから新規顧客の獲得、売り上げ向上に至るまで、活用方法次第で大きな成果を得ることが可能です。

 

この記事では、ターゲティング広告の種類と特徴、具体例、そして有効な活用方法までをわかりやすく解説します。

ターゲティング広告とは

ターゲティング広告とは、年齢や性別をはじめとするユーザー属性情報や位置情報、訪問や購買行動を行った行動履歴などのデータと、掲載する媒体・デバイス別などの条件を掛け合わせ、ユーザーごとに適切な広告を配信することです。

Webサイトへの訪問がない(接点がない)、自社の製品を知らないが興味関心がありそうな「潜在顧客」にアピールできるのがターゲティング広告です。ユーザー個人を特定して配信するのではなく、ブラウザやデバイス、アプリでユーザーを識別します。

ターゲティング広告を利用するメリット

戦略的に広告を配信することができるターゲティング広告は、具体的に次のようなメリットと効果を得ることができます。

興味関心があるユーザーへ表示させるためコンバージョン率が高い

ターゲティング広告は興味関心があるユーザーに絞って配信するため、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。

不特定多数に同じ広告を表示しても、それがユーザーの興味・関心をひく内容でなければ、目に留まることはありません。

適切なターゲティングを行うことができれば、自社の商品やサービスに興味があるユーザーへ広告を配信し、アカウント登録や購買など、期待するアクションを起こしてもらう確率が高まります。

顧客情報のデータを持っていれば、顧客の傾向を分析し、ターゲットを絞り込むことができますので、より有効な広告配信が実現できるでしょう。

費用対効果が大きい

自社の商品やサービスに興味・関心を抱いていないユーザーには配信しないため、効果の低い無駄な広告配信を防ぎ、コストを押さえることができます。最小限の予算で最大限の効果を発揮しやすいのもターゲティングの大きな特徴です。

リターゲティングを促進できる

Webサイトを訪問したユーザーの行動を追跡し、再度広告を表示させる方法をリターゲティングと言います。ターゲティング広告でユーザーと接点を持つことができれば、サイトを離脱した後もリターゲティングによって、見込み客から顧客への転換を促進することができます。

顕在層から潜在層まで、獲得したい顧客へ広くアプローチできる

ターゲティング広告にはいくつか種類があるため、目的によって顕在層から潜在層まで、さまざまなユーザーへ幅広くアプローチできます。

それぞれの効果を検証するために、いくつかの種類を実施し、効果があったものに絞ったり、掛け合わせたりして、最適化していきましょう。

興味関心に沿った広告は、ユーザー視点でもメリットが大きい

気になっていたサービス、調べていたけど気づけなかった商品など、ユーザー視点でも欲しかった情報に気づくことができるというメリットがあります。

ターゲティング広告のしくみ

Cookieの情報を利用する

Cookieとは、Webサイトにアクセスした際に付与されるテキストファイルのことです。そのファイルの中にはIDや閲覧履歴、ユーザーが登録した個人情報など多くのデータが記録・保存されています。

ユーザーがCookieを許可すれば、同じユーザーが同じサイトを2回、3回と訪れた際も検索履歴・個人情報などの情報が記録として残っているため、情報登録や検索の手間を省き、アクションを後押しすることができるのです。

例:キャンプ用品のサイトを訪れ、カゴにいくつか商品を入れたまま離脱した。後日、改めてサイトを訪れたら、商品はカゴに入ったままだったので、そのまま購入した。

ユーザーの行動や興味関心が把握しやすいため、ターゲティング広告ではCookieのデータが使われることが多くあります。

GPSによる位置情報

Webサイトやアプリを利用しているときに、「http://(サイト名やURL)が、現在の位置情報を利用します。よろしいですか?」という文言とともに許可する・許可しないを選択する表示があらわれます。

このときに「許可をする」を選択すると位置情報が共有され、その地域に合わせた情報や広告が配信されます。それが位置情報を取得したターゲティング広告の仕組みです。位置情報はGPS、IPアドレス、ビーコンなどで取得されます。

サイト内の行動データでターゲティング

GoogleやYahoo、楽天などのポータルサイトでは、サイト内のアクセス履歴や行動履歴からユーザーの行動を取得し、興味・関心に合わせた広告の配信が可能です。

ログインをせずにアクセスしている場合も、Cookieを利用することで訪れたユーザーの閲覧履歴や行動履歴を記録・保存することができます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト  自動的に生成された説明

ターゲティング広告の種類と特性

オーディエンスターゲティング

オーディエンスターゲティングは、年齢や性別などのユーザー属性、行動履歴、検索履歴といったデータに加え、特定のカテゴリに興味を示したり、特定のライフイベントに近かったりするユーザーへ自社の製品やサービスに関する広告を配信する方法です。

もともと自社の製品に興味・関心があるユーザーへ広告を配信するため、高いクリック率が期待できます。

オーディエンスターゲティングは次のように種類も多く、幅広く活用できるのもポイントです。

オーディエンスのセグメントの種類(一部)

種類詳細
アフィニティセグメントユーザーが熱中していること、習慣化していること、興味・関心にもとづいたユーザーに絞ること。
カスタムセグメント関連性の高いキーワード、URL、アプリを入力して角度の高いユーザーへアプローチ。
ライフイベント人生の大きな節目を迎えているユーザーに配信。
購買意向最近の購入意向をもとにユーザーへリーチ。
データセグメントウェブサイトやアプリを過去に利用したユーザや、CRMデータにもと付いた既存顧客へのリーチ、ウェブサイトにアクセスしたユーザや既存顧客と同じ傾向を持つユーザへリーチ。

Google広告ヘルプを参照

オーディエンスターゲティングがもっとも有効なのは、ターゲットがはっきりと絞られている時です。すでにある自社の顧客情報をもとにターゲティングを絞れば、さらに精度の高い配信が実現できます。

例:

・家事時短グッズ・・ 主婦・共働きの家族 / 男性・女性 / 20〜40代

行動ターゲティング

Webサイトの閲覧履歴や検索・購入などの行動履歴、広告へのクリックなどからターゲットを絞って配信する方法です。

ユーザーの行動ベースで配信を行うため、興味・関心が高いユーザーへピンポイントに配信したいときに非常に有効です。行動ターゲティング広告はユーザーの行動履歴がベースになっているため、おもにCookieの情報を利用します。

リターゲティング

行動ターゲティングの一種であるリターゲティングは、一度、自社のサイトや広告に訪れたユーザーの購入履歴や閲覧履歴を記録し、それをもとに再度、別の広告枠から広告を表示させる方法です。

すでに、自社の製品やサービスに興味があるユーザーへ配信するため、コンバージョンにつながりやすいのもメリットです。

例:

今後キャンプに行く予定があり、キャンプ用品を揃えようと、Aというキャンプ用品専門サイトを訪れた。その後、別のサイトを訪問したが、買うか迷っていたAの広告を目にし、再訪。もう一度そのユーザーが商品ページを確認して商品を購入。

デバイスターゲティング

デバイスターゲティングとは、スマートフォン、パソコン、タブレットなど、ユーザーが閲覧するデバイスに合わせて最適な広告を配信する方法です。デバイスターゲティングでは、OSのバージョンも指定できます。

例:

・スマホでしか利用できない写真加工アプリの広告を表示させたい場合、スマートフォンだけに配信し、ダウンロードを促す。

・iOSだけに対応しているゲームアプリのため、iOSのみに配信する。

・パソコンで使用するビジネスツールをアピールしたい場合、パソコンのみに配信する。

コンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングは、ユーザーが訪れたコンテンツの内容と関連性の高い広告をコンテンツ単位で配信できる方法です。

コンテンツターゲティングの中にはさらに、特定のサイトを指定して配信する「プレイスメントターゲティング」と特定のカテゴリを指定して配信する「サイトカテゴリターゲティング」の2つの種類があります。

例:

最新のトレンドコスメを紹介するコンテンツへ新商品のリップの広告を配信する

・腸内環境の改善に関するコンテンツを読んだユーザーに対し、腸活サプリメントや腸活ケア用品の広告を配信する

ジオターゲティング

ジオターゲティングは、位置情報をもとにターゲティングをして広告を配信する方法です。

先述しましたが、GPSやIPアドレス、店舗に設置されたビーコン(Bluetoothなどの無線を使った位置特定技術。半径数m〜数十mの範囲に信号を発する装置のこと)などを使用して、指定した地域に関連する広告を配信できます。

例:

・渋谷でランチできる場所を探している人が「ランチ イタリアン おすすめ」と検索した場合、渋谷または近辺のイタリアンレストランの広告が表示される。

・仕事後に疲れたので、オフィスの近くにあるマッサージ店へ行こうと「マッサージ おすすめ」と検索。オフィスが横浜にあるため、横浜エリア近辺の店舗の広告が表示された。

※ジオターゲティングのリンクを掲載

サーチキーワードターゲティング

サーチキーワードターゲティングとは、過去にユーザーが検索エンジンで入力したキーワード(検索履歴)をもとに広告を配信する方法です。特定のキーワードを検索し、その後、別のサイトへユーザーが訪れた際に過去に検索したキーワードをもとに広告を配信するため、「商品を買いたい」と思ったタイミングでのアプローチが可能となり、成果につながりやすくなります。

例:

・引っ越しに伴い、新たな家電を揃えようと「冷蔵庫 最新 おすすめ」と検索。後日、ディスプレイ広告に家電店の冷蔵庫の広告が表示された。定価も安く見た目も好みだったのでクリックをしてそのまま購入。

・マンションを購入しようと比較検討をしていたユーザーが「新築 マンション 東京」と検索。後日、都内の新築マンションの広告が表示され、気になって見学へ訪れた。

ターゲティングに役立つフレームワーク

より有効なターゲティング広告を打つために、次のようなフレームワークを使い、戦略的にターゲットの設定をしましょう。

STP分析

マーケティング戦略を立てる際に、よく利用されるのがSTP分析です。STP分析とは市場を開拓するために使用されるマーケティングの手法で、自社の製品が誰に・どのような価値を提供できるのかが明確化し、正しい戦略設計を構築するための土台の考えとなります。

Segmentation(セグメンテーション)

市場細分化の意味で、自社製品の対象となる市場をユーザー属性や地域、ライフスタイルなどであらゆる切り口で細分化すること

Targeting(ターゲティング)

細分化したグループから、狙った市場を絞ること

Positioning(ポジショニング)

ターゲティングした市場において、顧客のニーズを選択し、自社の立ち位置を明確化すること。競合他社と差別化するために、自社の強みやポイントを打ち出します。

勝負したい市場と獲得したい顧客が明確になったら、次にSTP分析を有効化する指標「6R」というフレームワークを活用します。

6R

カレンダー が含まれている画像  自動的に生成された説明

6Rは、STP分析の分析内容の偏りや、不足を補うことができる指標です。

Realistic Scale(市場規模)

自社の製品・サービスの市場規模を示す指標のこと。市場規模が大きいほど競合他社が多く、競争力が増します。逆に市場規模が小さいとコンバージョンが低い可能性もありますが、確実に狙うことで高収益を上げることも可能です。

Rank(顧客の優先順位)

自社の製品・サービスがユーザーにとって優先度が高いものかどうかを計る指標のこと。興味・関心度が高ければ市場での注目度も高まります。また、SNSやマスメディアでピックアップされたり拡散されたりすると、注目度が一気に高まり優先度が上がります。

Rate of growth(成長性)

市場の成長率を示す指標のこと。注目度や競合他社の売上などを確認しつつ、今後市場が成長する可能性があるかを分析します。

Reach(到達可能性)

ターゲットとなるユーザーに的確にアプローチできるかを判断する指標のこと。コストをかけてアプローチをしても、狙ったユーザーに届かなければ売上にはつながりません。どの市場のどのようなユーザーにリーチしたいのか、逆算をしてターゲティングを設定しましょう。

Rival(競合の状況)

競合他社がどんな商品を取り扱っているのか、どのくらいのシェアを獲得しているのか、どれだけ指示されているのかを把握する指標のこと。競合他社が市場を広げていたとして自社の強みをしっかりアピールできれば同じ市場へ参入してもシェアを獲得することができます。

Response(測定可能性)

ターゲットに対してアプローチができているのか、広告の効果を分析するための指標のこと。ターゲティング広告は配信するだけでは意味をなしません。効果測定によって戦略を見直し改善して、確実な成果をあげていきましょう。

まとめ

先述したフレームワークを使えば、効果が得られるターゲティングの設定が可能になります。広告の効果を最大限に引き出すためにも、適切なターゲティングでアプローチをしていきましょう。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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