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BOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門 1位受賞
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スマートキャンプ株式会社が今最も評価されているSaaSを表彰する「BOXIL SaaS AWARD2024」※においてBOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門1位を受賞しました。
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「最近よく聞く『データ・ドリブンマーケティング』って、一体どういう意味なんだろう?」 「データが大事なのは分かるけど、具体的に何をどうすることなの?」
ここでは、データ・ドリブンマーケティングという言葉の基本的な意味から、なぜ今これほど注目されているのか、従来の手法と何が違うのか、さらに気になるメリットやデメリットまで、基礎から分かりやすく解説していきます。
マーケティングの初心者の方も、改めて基本を確認したい方も、ぜひここから読み進めてみてください。
目次
まず、「データ・ドリブン(Data-Driven)」という言葉の意味から確認しましょう。「Driven」は「〜によって駆動される」といった意味を持ち、つまり「データ・ドリブン」とは「データによって駆動される」あるいは「データに基づいて判断・行動する」という意味になります。
これをマーケティングに当てはめたのが「データ・ドリブンマーケティング」です。より具体的に言えば、マーケティング戦略の立案、施策の企画・実行、効果測定といったあらゆる活動において、勘や経験だけに頼るのではなく、収集・分析した様々な『データ』を根拠(起点)として意思決定を行うマーケティング手法のことを指します。
では、なぜ今、このデータ・ドリブンマーケティングがこれほどまでに重要視されているのでしょうか。その背景には、現代のビジネス環境におけるいくつかの大きな変化があります。
スマートフォンやインターネットの普及により、顧客のウェブサイト閲覧履歴、購買履歴、SNSでの行動、アプリ利用状況など、企業が取得・活用できるデータの種類と量が飛躍的に増加しました。これらのデータを活用しない手はありません。
現代の顧客は、画一的な情報ではなく、自分に合った情報やサービス(個々の興味やニーズに合わせた体験=パーソナライゼーション)を自然に期待するようになりました。データ分析によって顧客一人ひとりのニーズを深く理解し、的確に応える必要性が高まっています。
データを収集・蓄積・分析するためのツール(ソフトウェアやクラウドサービス)が進化し、以前よりも低コストで高機能なものが利用可能になりました。これにより、大企業だけでなく中小企業でもデータ活用が現実的な選択肢となっています。
市場が成熟し競争が激しくなる中で、他社との差別化を図り、限られたリソース(予算や人員)で最大の効果を上げるためには、データに基づいた効率的かつ効果的なマーケティングが不可欠になっているのです。
これらの背景から、データは現代マーケティングにおいて、進むべき方向を示す羅針盤のような、極めて重要な役割を担っていると言えるでしょう。
「データが大事なのは分かったけど、これまでのマーケティングと何がそんなに違うの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。従来、特に日本では「KKD(勘・経験・度胸)」といった言葉に代表されるように、担当者の長年の経験や直感に頼った意思決定が行われる場面も少なくありませんでした。
もちろん、経験や直感が持つ価値を否定するものではありません。しかし、データ・ドリブンマーケティングは、これらの要素を客観的なデータで補強・検証する点に大きな違いがあります。具体的に比較してみましょう。
比較項目 | 従来の手法(例: KKD) | データ・ドリブンマーケティング |
意思決定の根拠 | 経験、勘、度胸 | データ、分析結果、客観的事実 |
ターゲット設定 | 大まかな属性、思い込み | 詳細なデータに基づくセグメント |
施策の評価 | 感覚的、曖昧 | 明確なKPIに基づく定量的評価 |
改善プロセス | 不定期、感覚的 | データに基づき継続的にPDCAを回す |
このように、データ・ドリブンマーケティングは、あらゆるプロセスにおいて「データ」という共通言語を用いることで、より客観的で、再現性が高く、継続的な改善が可能なマーケティング活動を実現しようとするアプローチなのです。
重要なのは、経験や直感を完全に否定するのではなく、むしろ、経験豊富なマーケターが持つ仮説をデータで検証したり、データだけでは見えない顧客インサイト(深層心理)を経験から補ったりと、データと経験・直感を融合させることで、さらに強力なマーケティングが可能になるという点です。
どんな手法にも良い面と難しい面があるように、データ・ドリブンマーケティングにもメリットとデメリットが存在します。導入を検討する上で、両方を理解しておくことが重要です。
これらのメリットを最大化し、デメリットを克服していくための具体的な方法(実践ステップ、ツール活用、人材育成、組織作りなど)については、この後のセクションで詳しく解説していきます。
まずは、「データ・ドリブンマーケティングとは、データに基づいて賢く、効果的にマーケティングを行うための強力なアプローチである」という基本を、ここでしっかりと押さえておきましょう。
基本を理解したところで、次にデータ・ドリブンマーケティングを実践するための具体的な「5つのステップ」をご紹介します。
このステップに沿って進めることで、闇雲にデータと格闘するのではなく、着実に成果へと繋げていくことができるはずです。
重要なのは、一度で完璧を目指すのではなく、このサイクルを繰り返し回していくことです。さあ、具体的な始め方を見ていきましょう。
データ・ドリブンマーケティングの始め方として、何よりもまず「明確な目標設定」が不可欠です。目的なくデータを集めて分析しても、迷子になってしまいます。「○○を達成するためにデータを活用しよう」という目的意識を持ちましょう。
まず、自社のビジネス目標(売上向上など)を確認し、それと連動した具体的なマーケティング目標を設定します。「SMART」の原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)を意識すると良いでしょう。(例:「ウェブサイト経由の問い合わせ件数を、今後3ヶ月で20%増加させる」)
次に、目標達成度を測るための具体的な指標、KPI(重要業績評価指標 ※)を決定します。KPIにより進捗を客観的に把握し、施策効果を評価できます。(例:目標「問い合わせ件数20%増」→ KPI「ウェブサイトアクセス数」「CVR」など) (※KPI: Key Performance Indicator) 注意点として、最初から多くの目標やKPIを設定しすぎず、最も重要なものに絞って始めることが推奨されます。
目標とKPIが決まったら、それらを達成・測定するために必要な「データ」を集めます。
まず、Step 1で設定した目標とKPIに基づき、「どんなデータが必要か?」を洗い出します。闇雲に集めるのではなく、目的達成に必要なデータ(例:アクセスデータ、顧客データ、購買履歴など)に焦点を当てましょう。
次に、必要なデータが「どこにあるか」(Web、CRM、販売システム等)を確認し、収集方法を確立します。 多くの場合、データは社内に散在しています(データのサイロ化)。顧客を多角的に理解し、精度の高い分析を行うには、これらのデータを可能な範囲で統合することが理想的です。
CDP(顧客データ基盤)やDWH(データウェアハウス)といったツールが役立ちますが、まずは手動や簡単な連携から始めることも可能です。(ツールの詳細は後述)
重要な注意点として、データの品質があります。不正確なデータからは信頼できる結果は得られません。収集段階から正確性・一貫性を意識し、必要に応じてクリーニングを行いましょう。
また、最初から完璧な統合を目指さず、重要なデータソースから着実に収集・活用することが現実的です。
データが集まったら、分析を通じて「意味のある情報=インサイト」を引き出し、次のアクションに繋げます。
まずは基本的な分析から始めましょう。「記述的分析」で「何が起こったか」(例:売上推移、人気ページ)を把握し、「診断的分析」で「なぜそれが起こったか」(例:離脱率が高い理由、効果的なキャンペーン)を探ります。
データをグラフや表で「可視化」すると、傾向やパターンが見えやすくなります。Excelなどでも可能ですが、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使えば、より高度な分析が可能です。
(ツールの詳細は後述) 最も重要なのは、分析結果から「それで、何をすべきか?」に繋がるインサイト(気づき)を見つけ出すことです。(例:「特定地域のCVRが高い」→広告強化?、「A購入者は30日以内にBを再購入」→クロスセル提案?) 注意点として、「分析のための分析」に陥らないようにしましょう。常にアクションを意識し、最初から高度な手法にこだわらず、できることから始めるのが重要です。
Step 3で得られたインサイトは、具体的なマーケティング施策に落とし込んではじめて価値を生みます。
分析から得られたインサイトに基づき、具体的なマーケティングアクション(例:ターゲティング広告強化、クロスセルメール配信、LP改善など)を企画します。
次に、「誰が」「いつまでに」「何を行うか」という具体的な実行計画を立て、計画に基づいて施策を実行します。 施策の効果をデータに基づいて判断したい場合は、A/Bテスト(※ 2つ以上のパターンを試して効果を比較する手法)を活用するのが有効です。
施策を実行する際には、必ずStep 5の効果測定ができるように、必要なデータを記録・計測する仕組みを整えておくことが重要です。
実行した施策の効果を測定し、改善を続ける「やりっぱなしにしない」ための重要なステップです。
まず、Step 1で設定したKPIに基づき、施策の効果を客観的に測定・評価します。 次に、なぜ成功したのか、あるいはなぜ失敗したのか、その要因をデータに基づいて分析します。成功要因は他に活かせないか、失敗要因はどう改善できるかを考えます。
分析から得られた学びや知見は記録し、関係者間で共有することで、組織全体の学習を促進します。
そして、分析結果と学びに基づき、次の改善策を立案し、再びStep 4の施策実行、Step 5の効果測定へと繋げます。
この「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)」のサイクル、いわゆるPDCAサイクル(※ 業務改善のフレームワーク)を回し続けることが、データ・ドリブンマーケティングを成功させるには不可欠です。
データ・ドリブンマーケティングは一度きりのプロジェクトではありません。市場や顧客は常に変化するため、この5つのステップを継続的に繰り返し、改善し続ける姿勢が求められます。
データ・ドリブンマーケティングは、単に分析ステップを踏むだけで自動的に成果が出る魔法の杖ではありません。その効果を最大限に引き出し、持続的な成果へと繋げる、つまり成功させるには、それを支える「仕組み」と「環境」が不可欠です。
具体的には、「適切なツールの活用」「専門スキルを持つ人材」、そして「データに基づいた意思決定が根付く組織文化」という3つの要素が重要となります。これらが三位一体となって機能することで、データ・ドリブンマーケティングは真価を発揮するのです。ここでは、それぞれの要素について、成功に向けたポイントを解説します。
データ・ドリブンマーケティングに取り組む際、まず「どんなツールを使えばいいのか?」という疑問に直面することが多いでしょう。
市場には多種多様なマーケティングツールが溢れており、選択は容易ではありません。ここで重要なのは、「ツール導入ありき」で考えるのではなく、「自社の目的達成のために、どのプロセスを効率化・高度化したいか」という目的起点でツールを戦略的に選ぶことです。
データ・ドリブンマーケティングで活用される主なツールは、その役割に応じていくつかのカテゴリに分けられます。
データ収集・統合: 顧客理解の基盤を作るツール群です。
データ分析・可視化: データからインサイトを得るために用います。
マーケティング実行: 施策の実行と効果測定に活用します。
これらのツールは、単体で利用するよりも相互に連携させる(エコシステムを構築する)ことで、その真価を発揮します。
例えば、CDPで統合したデータをMAやCRMに連携させてパーソナライズされた施策を行い、その結果をBIツールで分析・可視化するといったデータの循環が、より高度なマーケティングを可能にするのです。
特定のベンダーや流行に流されず、自社に最適なツールを選ぶためには、中立的な視点で多角的に評価することが重要です。
といったポイントをしっかり評価しましょう。
複数のツールを比較検討し、可能であれば無料トライアルなどを活用して実際の使用感を確かめることが、失敗しないツール選びの鍵となります。
優れたツールを導入しても、それを使いこなし、データから価値を引き出せる「人材」がいなければ、データ・ドリブンマーケティングは絵に描いた餅で終わってしまいます。「データサイエンティストが必要」とよく言われますが、実際には多様なスキルを持つ人材がチームとして機能することが成功には不可欠です。
データドリブンなチームには、主に以下のような役割とスキルが求められます。
これが組織全体のデータ活用の底上げに繋がります。その他にも、論理的に考え仮説検証する「分析的思考」、自社のビジネスや市場を理解する「ビジネス理解」、分析結果を分かりやすく伝え関係者を巻き込む「コミュニケーション能力」、そしてデータを探求し疑問を持つ「知的好奇心」などが挙げられます。
これらの人材を確保するには、外部からの採用だけでなく、既存社員の社内育成(研修、OJT、資格取得支援など)や、外部パートナー(コンサルティング会社、分析代行サービスなど)との連携も有効な選択肢となります。自社の状況に合わせて最適な方法を組み合わせましょう。
データ・ドリブンマーケティングを成功させる上で、最も重要でありながら最も難しいのが、「データに基づいた意思決定が当たり前」となる組織文化を醸成することです。ツールや人材が揃っても、組織文化が壁となってはデータは十分に活用されません。これはトップダウンとボトムアップ、双方からのアプローチが必要な、継続的な取り組みとなります。
組織文化の変革には時間がかかります。焦らず、一貫したメッセージを発信し続け、これらの具体的な取り組みを地道に続けることが、データ・ドリブンな組織への移行を成功させるためには不可欠なのです。
データ・ドリブンマーケティングは常に進化しています。未来を形作る主要トレンドと課題を見ていきましょう。2025年現在、大きな転換点にいます。
AI、特に新たなコンテンツを創る生成AI(※テキスト・画像等を生成できるAI)が、DDMを根底から変えつつあります。
AIは、人間では処理困難な膨大・多様なデータ分析による高度なインサイト抽出、個々に最適化された体験をリアルタイム生成する超パーソナライゼーション(※ハイパー・パーソナライゼーション: 個々の状況に合わせたリアルタイム最適化)、予測分析の高度化、データに基づくコンテンツ制作の効率化、会話型マーケティングの進化などを可能にし、DDMのあらゆるプロセスを高度化・効率化します。
マーケティングは、セグメントからさらに解像度を上げた「個客」(一人ひとり)理解へと向かい、AIがこれを後押しします。
しかし、行き過ぎは顧客に不快感を与えるリスクもあり、プライバシー感情とのバランスが重要です。 Cookie規制強化の中で、顧客が自ら提供する「ゼロパーティデータ(※アンケート回答等)」や自社収集データ(ファーストパーティデータ)の価値が増大しています。透明性あるデータ収集・活用姿勢が今後の鍵です。
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パーソナライゼーションとは?重要性やメリット、成功事例を徹底解説
テクノロジーの進化と共に、「倫理」と「プライバシー保護」への要請はますます高まります。これは法的義務(改正個人情報保護法等)遵守を超え、企業の社会的信頼の基盤です。
今後は、プライバシー・バイ・デザイン(設計段階からの配慮)、透明性と説明責任(データ利用目的の説明、同意取得)、データの最小化、バイアスの排除(AI分析での偏見防止)、そして「倫理的マーケティング」の実践(長期的な信頼関係重視)といった課題への対応が不可欠です。
「何ができるか」だけでなく「何をすべきか/すべきでないか」を問い、「プライバシー・ファースト」「エシカル・バイ・デザイン」の考え方が戦略の中核になります。
データ・ドリブンマーケティングの未来は、技術の可能性と社会的・倫理的要請とのバランスの上に成り立ちます。技術を活用しつつ、常に顧客と社会への責任を念頭に置くことが求められます。
本記事では、データ・ドリブンマーケティングの基本定義から実践ステップ、成功の鍵となる要素(ツール、人材、文化)、具体的な成功・失敗事例、そしてAIや倫理といった未来の展望までを解説しました。
データ・ドリブンマーケティングは一度行えば終わりではなく、PDCAサイクルを回し続け、常に改善していくことが重要です。
弊社はLINEを活用したマーケティングツールMicoCloudを提供しています。
WebやLINE上の行動データやアンケートで取得する顧客の興味関心などのゼロパーティデータなどを活用したデータドリブンなマーケティング施策を実行することができます。
Micoworks株式会社
ビジネスマーケティング部 Director
大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。
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