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BOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門 1位受賞
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米国の広告主の97%がサードパーティクッキーを使用している。
最近、Webサイトを訪れた際にクッキーの使用許可について同意を求めるポップアップの表示を目にする機会が増えており、クッキーとは何か?を意識する機会も増えてきたのではないでしょうか?
リターゲティング広告や効果測定など、これまでのWebマーケティングにおいて幅広く活用されてきたサードパーティクッキー。しかし、プライバシー保護やセキュリティの観点から、年々、国内外で規制が進み、ついにGoogleが提供するChromeにおいても2024年内にクッキーを廃止することが発表されました。本記事では、マーケターが知っておくべきクッキーとクッキー規制の概要、そして規制による影響について、わかりやすく解説します。
目次
3rd Party Cookie(以下、サードパーティクッキー)とは、ユーザーが訪れたサイトではなく、異なるドメイン(第三者)から発行されたCookie(以下、クッキー)のことを言います。
このサードパーティクッキーの活用例がリターゲティング広告です。Webサイトを訪問したときに、訪問したサイトとは関係のない広告が表示されているのを見たことがあるのではないでしょうか?これはサードパーティクッキーを活用して、過去閲覧したコンテンツに関連する広告を表示しています。
では、そもそもクッキーとは何か?そのしくみについて解説します。
クッキーとは、ユーザーが閲覧したWebサイトに訪れた時間や回数、入力した個人情報などをテキストファイルとして記録したファイル(しくみ)のことを言います。もっと簡単に説明すると、Webサイトの閲覧履歴をデータ化したものです。クッキーにはユーザーのIDやPW、個人情報、行動履歴などを含む情報が書き込まれており、ブラウザ上に保存されます。
ログインした後に一度Webサイトを離れ、再び戻ったとしても、ログインしたまま利用ができる。この状態が維持できるのはクッキーを利用しているためです。もともと、クッキーはユーザーがWebサイトをより快適に利用するためにと開発されたしくみですが、ユーザーの行動履歴を分析して興味・関心に合わせた情報を表示させたり、広告を配信したりできるため、企業のマーケティング活動でも多く活用されています。
第三者が発行したクッキーをサードパーティクッキーに対して、ユーザーが訪問したWebサイトのドメインが発行したクッキーがファーストパーティクッキーです。
※同じ運営者が複数のWebサイトを運営している場合であっても、ドメインが異なる場合はドメインごとにファーストパーティが発行されます。
ファーストパーティクッキーは、ユーザーからブロックされる可能性が低いものの、ユーザーが異なるデバイスやブラウザで同じWebサイトを訪れた際、別のユーザーとして認識されるというデメリットも持ち合わせています。一方、サードパーティクッキーはユーザーが複数のサイトを閲覧しても、行動履歴がトラッキングできますが、ユーザーにブロックされやすいのがデメリットです。
ファーストパーティクッキー | サードパーティクッキー | |
特徴 | ・一度、ログインしたら、ログイン状態をそのまま維持できる・離脱した時と同じ状態を維持できる(入力情報、カート内情報など)・Webサイトでのユーザーの行動をトラッキングできる | ・リターゲティング広告やアフィリエイト広告、広告の効果測定、アトリビューション分析に活用できる・ドメインを横断しながらユーザーの行動がトラッキングできる |
企業側のメリット | ・ユーザーの行動を追跡できる | ・マーケティング活動に幅広く活用できる・ドメインを横断しながらユーザーの行動がトラッキングできる |
ユーザのメリット | ・Webサイトが使いやすくなる | ・自分の興味関心に沿った広告と接触できる |
デメリット | ・個人情報を渡すリスクがある | ・個人情報や行動履歴が第三者に取得されるリスクがあることから、近年は規制が強化されている |
サードパーティクッキーの利用方法は、おもに次の4つです。
リターゲティング広告とは、過去一回以上、Webサイトに訪れたユーザーに対してサイト離脱後も追跡して配信する広告のことです。ユーザーが別のサイトに訪問した際に、自社の広告を配信することができます。
サイトに訪れたユーザーの9割以上は離脱します。繰り返し広告を表示し、もう一度その商品を思い出させ、購買を促すことができます。コンバージョンに貢献しやすく、費用対効果が良いのがリターゲティング広告最大の特徴です。
アフィリエイトはWeb(ネット)広告の中のひとつで、「成果報酬型広告」とも言われています。Webサイトやブログ、ランキングサイトなどに掲載された広告をユーザーがクリックし、購入やサービスを利用した場合に、メディアを運営していた会社、または個人に報酬が発生する仕組みです。
アフィリエイト広告がクリックされたユーザーをLP(ランディングページ)へ誘導しますが、その際にサードパーティクッキーを利用することで、ユーザーがどのリンクを経由してコンバージョンが発生したのかを把握することができます。
サードパーティクッキーを使って、自社サービスへの問い合わせ、資料請求、商品の購入など、配信した広告がどれくらいコンバージョンにつながったか、効果測定が行えます。効果測定で広告の効果を分析すれば、広告の有効性だけでなく、クリエイティブやテキスト、配信設定の改善を行うことも可能です。
アトリビューション分析とは、マーケティングにおける効果を測定する方法のひとつで、直接成果につながった接点だけでなく、広告やメディアなどを含め、ユーザーが接触したページやチャネルをさまざまな視点で分析し、コンバージョンへつながるまでの貢献度を評価する分析方法です。間接効果とも言われ、専用の計測ツールで分析を行います。
近年はマルチチャネルが進み、多くのユーザーがさまざまな経路を辿ってコンバージョンへ至りますが、アトリビューション分析を行うことで、コンバージョンにつながった接点やユーザーの行動を詳細に把握することが可能です。アトリビュージョン分析にはビジネスモデルや目的に合わせて、ラストクリックモデル、起点モデル、均等配分モデル、減衰モデル、接点ベースモデルがあり、いずれにおいてもサードパーティクッキーが用いられます。分析を行うことで、どの広告がユーザーを惹きつけたのか、行動へつなげたのかが明確になり、コンバージョン率を向上させる施策を打つことができます。
企業のマーケティング活動に欠かせないとされてきたクッキーですが、2023年6月16日より施行された改正電気通信事業法では、ユーザーの情報を守り、安心して電気通信サービス(インターネットのサービス)が利用できるようにと、外部送信規律が設けられました。外部送信規律は“日本版のCookie規制”とも言われ、電気通信事業者の登録・届出が必要な事業者以外にも適用対象が幅広くなっています。ユーザーのプライバシーを守るためにも必要不可欠な対応ですが、各国やブラウザを提供している企業は、具体的にどのような規制を進めているのでしょうか。
Webサービスの利用はユーザーにとって非常に便利な反面、個人情報のほか、位置データやオンラインの識別子など、取り扱いに注意が必要な情報が数多くあります。そのため、国内外におけるデジタルプライバシーへの意識が強まり、プライバシーを保護する観点からCookie廃止とトラッキング終了が求められているのです。
特に、日本でもニュースで話題になったのが、2016年5月24日に欧州連合(EU)で施行された「GDPR(EU 一般データ保護規則・General Data Protection Regulation)」と、2020年1月1日より施行された米国のカリフォルニア州の「CCPR(カリフォルニア州消費者プライバシー法 2018年)」です。違反した場合、行政による罰則、高額の制裁金が課されるリスクもあるGDPRでは、EUをはじめ、欧州経済領域(EEA)にて取得した個人データを、同領域外に移行することが原則禁止とされたため、現地へ進出している日系企業は対応が迫られました。
また、国内においても2020年6月に開催された国会で「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が提出され、2022年4月1日より改正個人情報保護法が施行されました。その中で第三者提供に関する制限、つまりクッキーの取り扱いに影響を与える内容も含まれています。
参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律(概要)」
規制に伴い、いち早く対応したApple社は、ユーザーのプライバシーを守る目的で2017年にITP(Intelligent Tracking Prevention)1.0を発表・実装しました。その後、段階的にITPのアップデートを続け、1.0ではサードパーティクッキーが24時間で削除だったものが、2020年3月のフルITPにおいて即時完全ブロック(完全廃止)に。また、同時期にファーストパーティクッキーは1.0では無制限だったものが24時間でリセット、ローカルストレージは7日間でリセットと、段階的に仕様を変更しています。
また、ユーザーの端末にランダムに割り当てるID「IDFA(identifier for Advertisers、広告用の識別子)」においても、2021年よりApple社はネット広告制限をかけ、ユーザーが個人情報などのデータ提供について可否を選択できる状態にしました(IDFA取得のオプトイン化)。
Apple社にやや遅れをとりつつも、Googleも段階的にクッキー廃止の動きを進めています。2020年1月に、Chromeでのサードパーティクッキーのサポートを段階的に廃止し、2年以内に完全に廃止する計画を発表しましたが、2021年6月、「エコシステムの構築にはもう少し時間が必要」との理由で、廃止期限を2023年後半へ延期すると述べました。
そしてついに、2024年1月4日、Chromeユーザーの1%に対し、サードパーティクッキーを無効にするテストを開始、2024年後半には、すべてのサードパーティクッキーを段階的に廃止することを発表しました。同社は、サードパーティクッキー廃止とともに、データ使用についての透明性、選択、制御など、プライバシーを確実に守るためのWebエコシステム構築に取り組んでいることを表明。Cookie廃止の代替案としてWe技術の国際標準化団体・World Wide Web Consortiumなどと協力し、複数のAPIを開発しています。それが、「プライバシーサンドボックス」というプロジェクトです。プライバシーサンドボックスでは、サードパーティクッキーを使わずとも、従来のように広告配信や効果測定ができると言います。
Chrome、Safariに次いで国内で利用されているMicrosoftのWebブラウザEdgeにおいても、2024年3月5日にサードパーティクッキーの廃止に向けた取り組みを発表しました。数ヶ月内に1%以下の個人ユーザーを対象に、サードパーティクッキーを非推奨とする実験を開始するとブログで述べています。段階的に廃止を進め、将来的には初期設定でサードパーティクッキーをブロックする設定にする方針です。
サードパーティクッキー規制によって影響があるのは、大きく次の3点です。
コンバージョン計測には、リスティング広告やディスプレイ広告をクリックしてコンバージョンに至る、「クリックスルーコンバージョン」と、Web広告を見た後に興味・関心を抱き、その後、Webサイトなど別のページからコンバージョンする「ビュースルーコンバージョン」の2つがあります。SNSやWeb広告、検索など、ユーザーはさまざまなチャネルを経由してコンバージョンに至るため、企業は計測ツールでその経路を追跡し、分析することで、施策を改善し、コンバージョンを向上させていました。
しかし、サードバーティクッキーが規制されてしまうと、広告のクリック時や表示時に発行されるCookieを読み取ることができなくなるため、コンバージョンへ至った経路や間接的な成果が取得できず、計測の精度を落とす可能性があります。
リターゲティング広告は、サードパーティクッキーからユーザーの行動履歴や情報を取得し、サイトを横断して広告の配信ができる広告手法です。そのため、クッキー規制をされることでユーザーの追跡が困難となり、今までと同じような機能を果たせなくなります。Appleが提供するSafariでは、すでにサードパーティクッキーが全てブロックされるようになっており、リターゲティング広告の配信も制限されています。
ファーストパーティデータの行動データとは、第三者を介すことなく、企業が独自に収集・保有するアプリやWebサイトなどの操作データのことです。クリックや滞在時間、スクロール、ダウンロードなど、様々なデータが含まれます。
またゼロパーティデータは、顧客が積極的に提供してくれる情報です。趣味趣向や個人の情報などパーソナライズに欠かせません。自社や自社が提供するサービス、商品に本当に興味がある質の高いユーザーの情報がもとになっているため、信頼性も高く、営業活動やマーケティング活動でも有効活用できるのがメリットです。
クッキー廃止のスケジュールや代替手段について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
サードパーティークッキー廃止の影響は?廃止スケジュールと代替手段を解説します。
日本国内で46.5%(2024年2月時点)のシェア率を占めるGoogleのChromeがサードパーティクッキーを廃止するとなると、ターゲティングが困難となり、従来通りのマーケティング活動が実施できなくなります。クッキーレスは国内だけでなく、世界的な流れでもあるため、サードパーティクッキーに依存しない、新たな戦略を構築していくことが急務になっているのです。
弊社が提供するMicoCloud(ミコクラウド)は、ファーストパーティ、ゼロパーティデータを活用したマーケティングツールです。LINEを活用し、顧客情報を収集、分析し、ユーザーに最適なコンテンツを届けることができます。
Micoworks株式会社
ビジネスマーケティング部 Director
大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。
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