無料でLINEを活用した予約システムを使う方法

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LINE予約

MARKETING

LINE公式アカウントは、企業がお客様とのコミュニケーションを行えるLINEが提供するサービスです。

 

企業とお客様が気軽に1to1でコミュニケーションが取れることから、飲食業界だけでなく購買・入会のハードルが高い(=成約までのリードタイムが長い)業態でも活用されています。(※1)成約までのリードタイムが長い業種の場合、体験予約や面談予約を1つの成約地点としているマーケティング担当者もおられると思います。

LINEを使った予約システムとは

パソコンの予約フォームや電話での予約受付だけでなく、日常的に使用するLINE内で予約受付ができれば、ハードルが低くなるぶん予約数は増えると予想されます。(※2)LINEを活用した予約システムには下図のようにいくつか方法があるのですが、基本的には有料となります。

しかしトライアルなどを利用して無料で実装する方法もありますので、本記事では無料版を実装する方法を解説します。

加えて、無料版を使用することのメリットデメリットについても解説していますので、自社のマーケティングに最適な方法を選んでいただければと思います。

※1:LINE公式アカウント(人材・不動産・金融等)の活用事例

※2:MMD研究所「スマートフォンでのネット予約経験は69.1%

LINE公式アカウントを開設していても、予約は別のサイトを利用しているパターンもあります。

LINE公式アカウントを活用した予約管理にはいくつかの種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。それぞれどのような特徴があるのか解説します。

LINEのシステムを使わない予約管理

LINEのシステムを使わない予約管理として、LINE公式アカウント上で予約希望のメッセージを受信後、予約台帳等で予約状況を確認し、手動でLINEメッセージを返すやり方があります。

もう1つ、LINE公式アカウント上に別サイトの予約フォームのリンクを設置し、LINEからブラウザに遷移して予約をしてもらう方法があります。

LINEの担当者が手動で返信する必要がなく、予約管理も自動で行えるメリットはありますが、LINE上で顧客分析やリマインド配信を行えないというデメリットがあります。

LINE公式アカウントが提供する「LINEで予約」

次に、LINE公式アカウントが提供する「LINEで予約」です。

LINEで予約は外部の拡張サービスを使わずにLINE公式アカウントから店舗の予約を行えるサービスです。

店舗のLINE公式アカウントのプロフィールや、LINEが提供するサービス上の店舗情報ページから来店日時を指定して予約を行えます。

LINEで予約は、お客様がLINEから外部サイトに遷移するタイミングでの離脱防止が期待できます。

ただし、LINEで予約は「ぐるなび」などのパートナーサイトを通じて実装する必要があり、飲食店のみでしか利用できません。

外部のLINE連携予約システム

もうひとつが外部のLINE連携予約システムです。

「LINEで予約」同様にLINE公式アカウント上でお客様の予約管理を行えます。

一般的には飲食店だけというような業種・業態の制限はなく、企業の広報から一店舗まで幅広く利用可能です。

このパターンは以下の2種類があります。

  • 予約システムのオプションとしてLINE連携機能がある
  • LINEの機能拡張ツールの1つとして、予約機能がある

LINEを活用した予約システム、無料版と有料版の違い

LINEの拡張ツールを入れるパターン、予約システムをLINE連携させるパターン、どちらも無料でできないことはありません。各社が独自に「無料トライアルプラン」を用意しているからです。

ここでは、LINEを活用した予約システムについて、無料版と有料版の違いを説明します。

違い1:LINEを使った顧客管理ができる

複数店舗があるなど一定以上の顧客を抱える企業の場合、友だちごとの購買記録や予約記録を管理することでアップセルやリピート施策に活用できます。

しかし、こういったLINE公式アカウント上での顧客管理は有料の拡張ツールが必要になります。

違い2:API連携ができる

すでにCRMツールや顧客データベースが存在する場合、LINE内の予約情報と紐づけるAPI連携が必要になります。

補足:APIとは

API(アプリケーションプログラミングインターフェイス(Application Programming Interface)の略)とはプログラムの機能をその他のプログラムでも利用できるようにするための規約であり、特定の機能を利用することができる。自社内のプログラム開発を効率化する用途でのAPI利用は以前から存在したが、近年は、自社で開発・運用しているサービスに外部から連携できるよう、APIを公開する動きがみられる。
引用:総務省「平成30年度情報白書」

LINE公式アカウントの配信に対する反応や予約内容といった行動データは、既存のCRMや顧客データベースと紐づけることでマーケティングに活用できます。

API連携をするためには外部の運用支援パートナー(LINE technology partner)と協力する必要があり、やはり有料となります。

参考:LINE公式アカウント

違い3:行動分析をもとにしたセグメント配信ができる

LINE公式アカウント内で完結させた予約情報をもとに、初回来店限定のクーポンや2回目来店予約を促す配信といった「LINE配信の出し分け」をすることができます。

この機能は飲食店限定の「LINEで予約」導入企業であれば使用できますが、そうでない場合はLINE拡張ツールを入れる必要があり、有料となります。

LINEを使った無料予約システムを使い始めるステップ

「有料でないと機能制限があるのはわかったが、やはり最初は小さく始めたい、まずは無料で予約システムを実装してみたい」という方に向けて、LINE公式アカウントに無料で予約システムを導入するにはどうすればよいか解説します。

無料予約システムアプリ「tol」の導入手順・LINE連携方法をご紹介します。

※tolは弊社が提供するサービスではありません。

ステップ1:LINE公式アカウントを開設し、リッチメニューを設定

まずは企業で活用するLINE公式アカウントを開設しましょう。

LINE公式アカウントは個人のLINEアカウントだけでなく、会社などのメールアドレスを使用して開設できます。

また、かつてはLINE公式アカウントの開設はPCのみで可能でしたが、現在はスマホアプリからの開設も可能となりました。

LINE公式アカウントを開設できましたら「リッチメニュー」を作成します。

リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に表示されるボタン形式のメニューです。

イラストやテキストを用いてリンクを設定できるため、利用者を誘導しやすくなる効果があります。

引用:tol magazine

LINE公式アカウントのホーム画面から「リッチメニュー」を選択し、テンプレートや背景画像を設定してください。

また「アクション設定」から、予約に当たる項目のタイプを「リンク」に設定します。

引用:tol magazine

参照:LINE公式アカウントの作り方|開設の設定と運用方法|LINE for Business

ステップ2:「tol」アプリをダウンロードし、予約ページを作成

無料予約システムアプリ「tol」の設定はスマホアプリから行ないます。

まずはアプリをダウンロードし、アカウント登録を行なってください。アカウント登録にはメールアドレスとパスワードの入力が必要です。

入力したメールアドレスに届いたメールから認証を行なった後は、手順に従ってショップのプロフィールを設定します。

プロフィール設定には以下の情報の入力が必要です。

・ショップ名 ※必須・キャッチコピー・プロフィール ※必須・ショップページURL ※必須

なお設定は後からでも行えますが、先に設定しておくことで、この後のLINE公式アカウントへの登録がスムーズです。

ショップ設定が完了した後は、画面右上部にある「シェア」から予約ページのURLをコピーしてください。

▼iOS

「tol – 予約管理システム」をApp Storeで

▼Android

tol – 予約管理システム – Google Play のアプリ

ステップ3:LINE内の「予約」アクション設定を「tolの予約URL」にする

tolアプリでURLをコピーしたなら、LINE公式アカウント内の「予約」アクション設定に登録しましょう。

先ほどと同様に、LINE公式アカウントの「リッチメニュー」から「予約」を選択し、アクション設定のリンクにtolからコピーしたURLを設定してください。

ここまでの設定が完了したなら、実際にLINE公式アカウントを開き「予約」からtolの予約ページに遷移できるか確認しておきましょう。

引用:tol magazine

LINE予約システムを無料で使う場合のできること・できないこと

LINEと連携できる予約管理システム「tol」は、ほとんどの機能を無料で利用できます。

実際にtolの無料版では何ができるのか、またどのような機能が有料でないと使えないのかをご紹介します。

できること3つ

tolの無料版で利用できる代表的な機能を3点ご紹介します。

1.LINE内でオンライン予約を取る

tolの基本機能であるLINE上からのオンライン予約機能は、無料プランから利用できます。

LINE公式アカウントのリッチメニューに設定した「予約」からtolの予約ページを呼び出し、tol上で予約の受付・管理を行なうことが可能です。

2.豊富な決済機能

tolでは、無料版から豊富な決済機能を利用できます。

選べる決済手段は「現地支払い」「銀行振込」「かんたんネット決済」の3種類。

かんたんネット決済はクレジットカードなどを使い利用者が事前に決済を行えるシステムであり、キャンセル率の低下や当日支払いの手間の削減といったメリットがあります。

なお、かんたんネット決済の利用には事前の審査が必要な上、6%の決済手数料を支払う必要があります。

業種によっては、手数料不要の現地支払いや銀行振込を選択しコストを削減するのもよいでしょう。

3.リマインドメール

tolには、予約日が近づくと自動的にリマインドメールを送信する機能が備わっています。

tolに登録されたメールアドレスへ確認のメールを送ってくれますので、お客様の予約忘れによる売上の低下を防げるでしょう。

なお、無料版ではリマインドメールの機能は利用できますが、メールの文言変更はできない点には注意が必要です。

できないこと3つ

無料版の機能が豊富なtolですが、全ての機能を利用できるわけではありません。

有料プランだけで利用できる便利な機能をいくつかご紹介します。

1.予約ブロック機能

tol無料版では、予約受付を停止したい日時の設定ができません。

「15日の午後だけは予約を受け付けられない」「急な予定が入ったので来週木曜日は臨時休業にする」といった場合でも、お客様からの予約をブロックできずに受け付けてしまいます。

2.オリジナルメール設定

tol無料版では、お客様へ送信するメールを自由に編集できません。

リマインドメールの文言と送信日、承認メールの文言などの編集ができないため、お客様とオリジナリティのあるコミュニケーションを行なうのは難しいでしょう。

3.顧客管理機能

tol無料版は予約の受付はできますが、顧客情報を管理・分析する機能はありません。

お客様の予約回数、日時の傾向、利用されているメニューといった情報を自動的に集計できないため、システム上で利用状況を分析しサービスの改善につなげられません。

またシステムに蓄積した予約データや顧客情報をCSVで出力することもできませんので、分析を別の外部ツールに任せるといった分業も困難です。

LINE予約システムを無料で使うメリット・デメリット

tolの無料版は、有料版に比べて使用できる機能が非常に制限されています。

実際にtol無料版を使用するには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

ここではtol無料版にあるメリットとデメリットをご紹介します。

メリット3つ

無料で予約システムを使えるtol無料版には、次のようなメリットがあります。

1.初期投資がかからない

tol無料版の大きなメリットのひとつに、初期投資がかからないという点があります。

LINE予約システムの多くはトライアル版が用意されているものの、利用可能期間が非常に短期間である場合や、使用できる機能が大きく制限され実使用に耐えられないといった場合があります。

その点tol無料版は、有料版に比べて機能が制限されているものの、実際のサービスの予約システムとして十分に活用できます。

自社のサービスにLINE予約システムが必要であるかを判断するという点でも、tolの無料版からはじめるとよいでしょう。

2.自社にとって必要な機能がわかる

tol無料版を実際に使うメリットのひとつに、自社のサービスに必要な機能が理解しやすいという点があげられます。

多くのLINE予約システムではトライアル版の機能が大幅に制限されていることから、本質的な使い勝手を理解できないおそれがあります。

その点tolの無料版に備わっている機能は実際のサービスに導入できる水準にあり、機能を拡張する有料版の機能を想像しやすいため、将来的な導入に向けたテストをしやすいでしょう。

3.すぐに試せる

tol無料版の使用に必要なアカウント登録は、メールアドレスがあれば誰でも可能です。

有料版の使用開始にはさまざまな手続きが必要な会社が多いと思われますが、tolならば社内の手続きを通す必要なくすぐにでも利用を開始できます。

テストを早く行うほど、LINE予約システムをサービスへ本採用するための期間が短くなりますので、即座にtol無料版を利用開始できるのはスケジュール上大きなメリットであるといえます。

デメリット3つ

一方、tolを無料で使うことにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

1.機能が少ない

tol無料版は、他社のトライアル版に比べれば機能が充実しているとはいえ、やはり無料版であることには変わりがありません。

便利な機能の多くは有料版に限定されていることから、十分に使い勝手を確認することは難しいでしょう。

特に顧客データの蓄積ができないため、顧客の動向をサービスに反映させられないのはLINE予約システムを使うメリットを得にくいといえるでしょう。

2.合わなかった場合、変更に伴うコストがかかる

何らかのLINE予約システムを導入した結果、自社のサービスに合う機能がないという判断が下されるかもしれません。

一刻も早く自社にあったシステムに乗り換えたいところですが、一度導入したシステムの乗り換えにはさまざまな面でコストがかかるため、無料予約システムの導入は慎重に行なう必要があります。

乗り換えには作業に必要な人的コストのほか、ツールの使い方を学ぶ時間や社内調整のための手間、宣伝物の作り替えなどさまざまなコストが必要です。

無料だからといっても簡単な気持ちで導入しないよう、十分なテストと検討を行なうように心掛けましょう。

3.サポートが基本的に受けられない

有料のLINE予約システムの多くは、システム提供者からのサポートを受けられます。

しかし無料システムは基本的にサポートの対象になっておらず、使用中に困ったことがあっても自分で解決するしかありません。

tol無料版は導入時のサポートは受けられますが、導入後の使い方の説明や効果的な使用方法のアドバイスといったサポートは対象外と考えておいたほうが無難でしょう。

LINE予約システムを無料で使う際の注意点

無料で使用できるLINE予約システムは、tolの他にもさまざまなサービスが用意されています。

どのサービスを選ぶとしても、無料版には無料版ならではのポイントがありますので、思わぬトラブルに遭わないように注意しておきましょう。

注意点1:将来無料版がなくなる・機能制限が厳しくなる可能性がある

ほぼ全てのLINE予約システムにおいて、無料版は有料版へ誘導するためのトライアルといった位置づけにされています。

原則として有料版が魅力的に見えるような設計がされており、無料でもある程度快適に使えますが、いつまでも同じ条件のまま使用できるとは限りません。

提供会社によっては、将来無料版の廃止や機能制限範囲の変更といった対応を行なう可能性があります。

いつ無料版の仕様が変更になってもいいよう、いずれ無料版がなくなるという前提のもと使うように心掛けておきましょう。

注意点2:有料版と比べて細かい制限がかかる

無料版は有料版と比べて機能にさまざまな制限がかけられています。

そのため自社で必要としている機能を無料版で試せず、使い勝手を確認できないというケースが少なくありません。

各予約システムとも、公式サイト等で無料版と有料版の機能差分を公開しています。

どの予約システムに欲しい機能があるか確認し、もし無料で体験できないようなら短期的に有料版を試してみるのもよいでしょう。

注意点3:手数料や広告表示に注意する

無料版の中には、月額料金を取らない代わりに決済手数料を徴収するものもあります。

また、予約画面などに広告を表示するサービスも少なくありません。

無料版といいつつも完全に料金がかからないとは限りませんので、手数料や広告表示の設定には十分に注意しましょう。

まとめ

LINE予約システムは完全無料で使うこともできますが、複数店舗があるなど一定の規模以上であればLINE公式アカウント内で予約システムを構築することで、LINE内で予約業務が完結するので便利です。

LINEの予約システムについてさらに詳しく知りたい場合は、下記の記事をごらんください。

LINE予約システムのメリット・デメリットや導入時のポイントを解説

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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