"MicoCloud"を提供する"Micoworks株式会社"は、
LINEヤフー株式会社よりテクノロジーパートナー、セールスパートナーの認定を受けています。
BOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門 1位受賞
BOXIL掲載ページはこちら >
スマートキャンプ株式会社が今最も評価されているSaaSを表彰する「BOXIL SaaS AWARD2024」※においてBOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門1位を受賞しました。
最終更新日:
膨大な購買データとAI技術を掛け合わせてユーザーの興味関心を分析し、LINE公式アカウント上でパーソナライズされた高度なレコメンド配信を実現する新たなソリューション、「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」。
その最大の価値は「消費者に新たな商品・サービスとの出会いと発見をもたらすこと」だといいます。
本ソリューションの共同開発に携わったCriteo、LINE、Micoworksの3社が、本ソリューションが生まれた背景や、価値を発揮する領域やユースケース、各社が構想するこれからの消費体験の未来を語りました。
取材対象者 (社名・アルファベット順)
CRITEO株式会社 吉原元樹様 (以下、Criteo 吉原様):Criteoは2005年、フランスのパリで設立されたアドテクノロジーの会社です。2011年より日本でビジネスを開始しました。最近ではリターゲティング広告以外にも、動画マーケティングやリテールメディアなどマルチプロダクトの展開に注力しています。私は同社の戦略的クライアントパートナーシップ部門で新規ビジネスの開発を担当しており「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」では、ビジネスオーナーとしてビジネス全体を管掌しています。
LINE株式会社 依馬裕也様(以下、LINE 依馬様):LINEは「Life on LINE」というコンセプトを掲げ、24時間365日コミュニケーションできるアプリを提供しています。個人だけではなく、ビジネスでもご活用いただくために、LINEのAPIを使った事業、Technology Partnerとのアライアンス、制度設計に携わっています。
Micoworks株式会社 中井拓海(以下、Micoworks 中井):Micoworks株式会社は、BtoC向けのSNSマーケティング支援を行っている会社です。現在はLINEを活用したコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud(ミコクラウド)」を主軸に、LINEに対応したマーケティングツールの提供とコンサルティングや運用支援を行っています。私はカスタマーエグゼクティブとして、クライアント様の運用を支援させて頂いております。
目次
Criteo 吉原様:「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」は、Criteoが保有する膨大な購買データとAI技術を掛け合わせてユーザーの興味関心を分析し、LINE公式アカウント上でパーソナライズされた高度なレコメンデーション・メッセージを配信するソリューションです。
5月31日にプレスリリースを出したところ、大手企業を含む広告主、広告代理店などから多くの問い合わせをいただきました。「パーソナライズ」「AI」というワードが現在、非常に注目度が高いこともあって各社の興味関心が大きいことがわかります。Micoworksさんとの実証実験が成功できたので、ここまで行き着くことができました。
Micoworks 中井:ありがとうございます。私たちとしてもお力添えできて光栄です。そもそも、このサービスを立ち上げたきっかけはなんでしょうか。
Criteo 吉原様:成長し続けるLINEというプラットフォームで、購買データやAIエンジンといったCriteoの資産を活用した新たなビジネスモデルを創出できればと考えたことから、このサービスが誕生しました。LINEのMAU は9,500万人(2023年6月時点)と、国内外で広く活用されているコミュニケーションアプリです。そのアプリを基盤に、Criteoがディスプレイ広告で培ってきた資産、つまり膨大な購買データと技術を掛け合わせることで、新たな価値を提供できると思ったのです。
LINE 依馬様:私は過去にEコマースのサイト立ち上げを経験していますが、その時からCriteoのリターゲティング広告がECの売上に直接つながることを理解していました。
たしかに、LINEは国内外のユーザーが多く、コミュニケーションアプリとしては広く周知されていますが、ユーザーと企業(LINE公式アカウント)とのコミュニケーションのあり方を考えたとき、ユーザーが欲しい情報を欲しいタイミングで確実に受け取れることが理想だと思っています。そのために、もっと趣味嗜好やニーズにマッチした情報を届けるにはどんなことができるのか、日々、模索していたんです。
今回、Criteoさんにお声がけいただき会話をする中で、LINEだけでなく、Criteoが持つ膨大なデータをもとにパーソナライズされたメッセージが配信できれば、より身近なコミュニケーションが実現できるのではないかと考えるようになって。そこにチャレンジすべく、今回、一緒に企画させていただきました。
Criteo 吉原様:構想が生まれたのは2021年の春に遡ります。そこからすぐLINEさんに相談して、何度も協議を重ねてきました。話し合いの中で、Criteoのレコメンドエンジンを活用し、LINE公式アカウントでコンバージョンにつながる新たな手法を作れないかという流れにまとまったんですよね。
Criteoはリターゲティング広告に詳しく、業界内でも認知されていますが、LINE公式アカウントへのメッセージ配信は私たちだけではできません。そこでLINEさんにご相談したところ、LINE の「Technology Partner」という仕組みを伺い、LINE社の公式パートナーと組むことでその構想が素早く実現すると考え、複数のパートナー企業へお声がけさせていただいたのです。
LINE 依馬様:当ソリューションは多くのSKU(ストック・キーピング・ユニット 在庫管理の単位)を持つ、エンタープライズ企業がメインターゲットになると考えました。エンタープライズ企業は、多くの情報やデータを持っているものの、それを活用しきれていないという側面がありました。そこで、ターゲット企業をサポートし、ビジネスに寄与できる方法としてこのサービスが実現すれば、新たな価値を提供できると考えたんです。
ただ、規模の大きなビジネスをLINE単体で開発するとなると、効果の検証も含めて時間がかかってしまう。そこで、パートナープログラムを活用してより早く、より良い成果を出すために、Technology PartnerとCriteoさんと連携し、最速でサービスを実現する方法を優先しました。実際に、今回ご一緒したMicoworksさんのスピード感には圧倒されましたね。
Micoworks 中井:Micoworksは、Criteoの保有するデータをLINE公式アカウントに届ける、API連携の開発を担当しました。このソリューションはLINE公式アカウント活用における施策と認識していますので、クライアント企業のマーケティング戦略全体の中でどのように活用していただけるのかビジネスモデルの設計を私たちが介在し、チューニングしていきました。
Criteo 吉原様:今回のソリューションと相性が良い領域の特徴は2つあると考えています。
まずは商品点数が多いこと。具体的には、モール型ECや不動産、人材、旅行といった商材を扱う企業です。
商品点数が多ければ多いほど、複雑で精度高いレコメンデーションのアルゴリズムが求められるので、Criteoの優位性が発揮できます。もう一つは購入頻度が多い、または情報収集の頻度が多いこと。多くの方にとって家を買うのは、人生で1回きりですよね。だから情報収集に割く時間が非常に多い。
LINE 依馬様:車や不動産など、長期検討商材とも相性が良いですよね。
Micoworks 中井:それに加え、友だち数が多いLINE公式アカウントは、ソリューションの効果をしっかり得られるかと思います。
LINE 依馬様:そうですね。サイトのアクセス数が多いこと、ユニークユーザー数が多いこと、そしてLINE公式アカウントに友だちがいること。この三つが組み合わさったときに、より大きな効果が見込めると感じています。
Criteo 吉原様:このほかにも、実はまだまだビジネス機会はあると思っています。一つ例を挙げると電子書籍です。雑誌や漫画はレコメンデーションのニーズが高いので相性がいい。もう一つが動画配信サービスです。「実は見たかった」という番組がプッシュ型のメッセージでレコメンドできたら、ユーザーに大きな気づきや感動を与えることができますよね。
LINE 依馬様:「サイトやアプリを開いたときにおすすめ作品をレコメンドされる」のと、「LINEのようにメッセージを通じて、新しい作品に触れるきっかけを作る」という体験は大きく異なりますよね。日常の中でそうした小さな感動が増えていくと、心も豊かになりそうです。
Criteo 吉原様:Criteoの強みは、すでに知っている商品ではなく、まだ出会っていないけど潜在的に求めている商品を新たにレコメンデーションができることです。パーソナライゼーションで消費者一人ひとりへ“本当に欲しいもの”を届けたい。これは、私たちのように膨大な購買データがなければ実現できません。
Criteoのディスプレイ広告でも、50%以上はユーザーが触れたことがない商品のレコメンデーションをしています。ECに関していうと、78%以上も占めてます。また、実は今までに見たことがない商品のレコメンデーションの方がコンバージョン率が高いという事例もあったりします。
今まで気づかなかったけど、レコメンデーションによってワクワクする仕事や新しい商品を手に入れる。私は商品・サービスとの新たな出会いや発見が、最終的には豊かな生活につながっていくと信じています。そう捉えるとパーソナライゼーションは本当に奥深いと感じています。ユーザー自身が気づいてない「欲しい」をレコメンドできて、人生の可能性を広げることができるのですから。
Micoworks 中井: Criteoのリターゲティング広告は、ECだけでなく、人材業界や旅行業界など、本当に幅広く利用されていますよね。たとえば人材紹介企業の求人レコメンドをきっかけに魅力的な仕事と出会い、新しい職場で働くことになると考えると、その人の人生が大きく変わります。
Criteo 吉原様:そうなんです。まだまだ可能性は未知数です。二つ目の企業側の視点でいうと、消費者に新しい発見や豊かな生活が提供できるようになれば、ブランドのパフォーマンスも向上すると考えています。より良いものを提供できるようになれば、広告や販促メッセージはユーザーにとってネガティブではなく、ハッピーなものに変わる、と。
LINE 依馬様:LINEというプラットフォームの良さは、ユーザーにきちんと目に留めてもらえる点です。メルマガとLINEを数値で比較すると、ビュー数とクリック率ともにLINEが約4倍※高い結果が出ています。サービスとの新しい出会いや検索では探しきれなかった商品を提示できるというのは、ユーザーにも企業にもwin-winだと思います。
※ LINE公式アカウントを活用している企業の実績 2021年11月-2022年6月実績 LINE・ヤフー調べ
Micoworks 中井:クライアント企業との実証実験で配信した求人レコメンドを例にあげると、希望条件に合った求人を都道府県など大まかな条件ごとに振り分けて配信することはできますが、よりパーソナライズしたメッセージを届けるには、最終的に人の手を借りなくてはならない。今まではレコメンドを実施しようとすると、企業自身でレコメンドロジックを作り、そこからAPI連携の開発が必要になるため、パーソナライズしたレコメンド配信を行うまでのハードルが非常に高かったんですよね。
今回のソリューションでは、Criteoディスプレイ広告と共通のAIエンジンを活用し、私たちが提供するプラットフォーム「MicoCloud」から自動でレコメンドできるようにしていただけたので、より精度の高いレコメンドが実現しました。
Criteo 吉原様:企業側が保有するデータはいわゆるファーストパーティーデータですが、サードパーティーの場合、A/B/Cの広告主を跨いだデータになりますよね。広告主の自社サイトにとどまらず、外部の集積されたデータも活用することで、データの母数を増やすことができます。
データの総量が多くなればなるほど、レコメンデーションの精度はあがるので、この点は大きな差分があると思っています。広告主の自社サイトの行動ログや購買データだけではレコメンデーションがなかなかスケールしないので。
Micoworks 中井:実証実験でA/Bテストを実施しましたが、従来の配信と比べて、今回のレコメンド配信において、CVRが約650%改善される結果となりました。これほど大きな成果が出るとは当初思っておらず、Criteoの膨大な購買データを活用したレコメンデーションの効果を改めて実感しました。
Criteo 吉原様:最後に、このソリューションでどんな世界を作れるのかをテーマにお話させてください。私は、人と人をつなげるのがレコメンデーションであり、人と人をつないだ先に人とモノがつながっていくと思っています。もう少し噛み砕いて、大事な3つのポイントを解説します。
一つ目はネットとリアルの世界をシームレスにつなげること。実店舗データとネットのデータは、まだまだシームレスな状態とは言えません。実店舗で頻繁に購入しているものがあっても、そこから派生したレコメンデーションをオンラインで表示するところまでは実現できていないからです。ですから、今後はオンラインとオフラインの情報を一元化して、より確度の高いレコメンデーションを実現したい。
二つ目が生成AIです。生成AIによる広告ビジネスへの貢献という観点では、まだ多様な可能性が眠っています。レコメンデーションの文脈でいうと、生成AIでクリエイティブを作るとか、使っていくとか。そういうことも今後、できるようになるんじゃないかなと。
最後に、現在はVUCA(不確実性が高く、先が見えない)の時代の中で、複雑なデータをオーガナイズしてビジネスにつなげることです。人々の価値観や趣味・趣向、考え方は多様化し、企業から一方通行のコミュニケーションでは意味をなさなくなっていますので、消費者一人ひとりと向き合っていかなければビジネスの成長は困難だと感じています。ここにCriteoが貢献できると思っていますし、今後もLINEさんとMicoworksさんと協力しながら、より良いサービスへと昇華させていきたいです。
LINE 依馬様:私もLINEだけで実現できないことを、パートナー企業が持つデータを活用することで、ユーザー体験をより豊かなものへと変えていきたいと考えています。それこそがAPIの最大の価値ですよね。
Criteo 吉原様:瞬間を捉える、モーメントを捉える。タイミングを捉えるのは決して簡単ではありませんが、そこにチャレンジするのは意義があることです。
LINE 依馬様:今後、キーワードにしていきたいのは「ディスカバリー」です。新しい出会い、新しい発見、知り得なかった情報を、LINE公式アカウントが出会わせてくれる。世の中にある数多くの情報から、ユーザーが心の奥で求めている“ワクワクする情報”と出会う体験を提供する。そうしたディスカバリーをプロジェクトの中で入れていくことで、唯一無二のユーザー体験を提供していきたいですね。
Micoworks 中井:Micoworksとしては、「Cコマース(会話型コマース)」という消費者起点の買い物体験をより多くの消費者にもたらすために、コミュニケーションの最適化を図るサービスのアップデートを図ってまいります。
この3社が集まれば、互いの強みを掛け合わせたサービスを迅速に構築できます。ユーザー視点で何が求められているのかを追求し、一人ひとりの生活の質をあげたり、ライフスタイルに彩りを与えられるサービスを提供したいと考えています。
最後に本ソリューションに興味を持っていただいた方は、我々にお問合せいただければ幸いです!
吉原様、依馬様、本日はお忙しい中ありがとうございました。今後も一緒にワクワクと出会う体験を提供していきましょう。
Micoworks株式会社
ビジネスマーケティング部 Director
大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。
"MicoCloud"を提供する"Micoworks株式会社"は、
LINEヤフー株式会社よりテクノロジーパートナー、セールスパートナーの認定を受けています。
BOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門 1位受賞
BOXIL掲載ページはこちら >
スマートキャンプ株式会社が今最も評価されているSaaSを表彰する「BOXIL SaaS AWARD2024」※においてBOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門1位を受賞しました。