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企業が集客施策を実施する際は、オフライン・オンラインを問わずさまざまな手法があります。
オンラインでの集客手法としては、Web広告の出稿やメールマガジンの配信、MEO(マップエンジン最適化)などがあげられますが、なかでも取り組んでおきたいのがSNSを活用した集客です。
ICT総研の調査は、国内のネットユーザーの約8割がSNSを利用しており、今後も利用者数は増加傾向にあるといわれています。
そのため、SNSは商品やサービスの認知拡大や集客には欠かせないチャネルのひとつです。
しかしSNSで集客を成功させるためには、自社の商品やサービスに最適なSNSを選び、発信しながらアカウントを育てていかなければいけません。
本記事では、SNSで集客施策を実施するメリットや成功させるコツ、集客に最適なSNSの選び方を解説します。
SNSを使った集客を検討している方やSNSでの集客に悩んでいる方は、是非ご一読ください。
目次
企業がSNSを使って集客することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
期待できるメリットとしては、以下の6つがあげられます。
SNSはアカウントを無料で開設できるため、他の集客施策に比べてコストをかけずに取り組めます。
それでは、SNSで集客するメリットをひとつずつ解説していきましょう。
【メリット1】商品・サービスの認知が広がる
集客の第一歩は、商品やサービスの認知拡大です。集客するためには、まず商品やサービスをユーザーに知ってもらわなければいけません。
SNSは、リアルタイム情報やユーザーの口コミなどを調べるときに適しています。
ICT総研の調査では、SNSを利用する理由として情報収集目的が最も多く、SNSを通じてユーザーが欲しい情報を集めていることがわかります。
引用元:ICT 総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
SNSで商品やサービスを紹介することで、ユーザーとの接触機会を増やし、認知してもらうためのきっかけ作りができるでしょう。
【メリット2】集客チャネルが増え、顧客獲得につながる
Web広告やメールマガジン、DMなどいくつかの媒体で接触することで購買や来店などのユーザー行動を後押しします。
SNSをうまく活用できれば、ユーザーとの接触機会を増やし、顧客獲得につながるチャネルのひとつになり得るでしょう。
例えば店舗集客の場合は、折込チラシやポスティングでチラシを見たユーザーが、InstagramやTwitterで店舗の口コミや情報を集めるといった行動が考えられます。
折込チラシに店舗のLINE公式アカウントのQRコードを掲載しておけば、口コミを見て興味を持ったユーザーがLINE公式アカウント経由で来店予約する可能性もあるわけです。
アライドアーキテクツの調査では、約4割のユーザーがSNSアカウントの発信をきっかけに来店していることがわかりました。
引用元:アライドアーキテクツ「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」
SNSの投稿によってユーザーの行動変容が期待できるため、オンライン・オフラインともに集客経路を複数用意しておくことで顧客の取りこぼしを防げるでしょう。特にSNSは、商品購入や来店予約への導線設計がしやすいメリットがあります。
【メリット3】ファン化やロイヤル顧客の育成
SNSでは、自社の商品やサービスに興味を持っているフォロワーに対して情報を発信できます。商品の使い方などのお役立ち情報を発信することで、使用したときのイメージをしてもらいやすくなるでしょう。新商品や新サービスの案内も発信できるため、購入や来店予約などの行動も促せます。
また、SNSの運用はブランディング構築にも有効です。例えば、投稿をブランドカラーで統一するなどユーザーに商品やサービスのイメージ付けをおこない、制作秘話などブランドストーリーを発信します。ブランドに共感してもらえればファン化や、リピート購入してブランドに愛着を持つロイヤル顧客の育成ができるでしょう。
【メリット4】口コミでの拡散・信頼度アップが期待できる
SNS運用では企業が発信するだけではなく、ユーザーに商品やサービスの口コミを発信してもらうことが重要です。SNS上に口コミが蓄積されていけば、商品やサービスの購入や利用を検討しているユーザーがSNSで検索し、口コミをみて購入や利用を決める判断材料になります。
口コミはマーケティング用語で「UGC(User Generated Contents)」と呼ばれており、ユーザーの購入行動に影響を与えます。SNSではUGCを見たユーザーが投稿を保存したり、人に共有したりして情報が拡散されていきます。良い口コミが増えれば、企業への信頼度も上がるでしょう。
【メリット5】ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
SNSの大きな特徴は、ユーザーと直接コミュニケーションが取れることです。企業が一方的に情報を発信するのではなく、口コミ投稿やプレゼントキャンペーンの実施やコメントへの返信など、双方向のコミュニケーションを意識するとユーザーとの心理的距離も縮まります。
またInstagramやTwitterのDM機能やLINE公式アカウントのチャット機能を利用して、ユーザーからの問い合わせに対応することも可能です。
【メリット6】無料で利用できるため、予算をかけずに始められる
SNSは、基本的に無料でアカウントを開設できます。運用に人的リソースがかかりますが、Web広告など他の集客施策に比べてコストを抑えて実施できるわけです。ただし運用マニュアルの作成や、フォロワーが増えるまでに時間がかかります。
しかし無料で利用でき実施するハードルが低いため、集客施策のひとつとして取り組む価値があるでしょう。
TwitterやInstagramなどSNSにはさまざまなプラットフォームがあり、SNSによってユーザー層や利用目的などに違いがあります。
今回は総務省の利用調査で、利用率が高かった6つのSNSを取り上げて紹介します。
引用元:総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 」
自社の商品やサービスのターゲットを集客するためには、SNSの特徴を掴んでおきましょう。
Instagramは、画像や動画を中心に投稿できるため、視覚的に訴求できるSNSです。月間利用者数は3,300万人で特に20代~30代の女性の利用率が高く、ファッションや美容、旅行、料理などのジャンルに興味を持っているユーザーが多い傾向があります。
Instagramで利用できる機能は、以下のとおりです。
ECサイトに連携できるため商品購入を促進したり、アクションボタンを設置して店舗予約に誘導したりと集客導線を作ることが可能です。
▼Instagramでの集客については、以下の記事をご覧ください。
※参照:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
Twitterは、リアルタイムの反響や情報を収集できる即時性の高いSNSです。自分や他者のツイートを投稿するリツイート機能があるため、SNSのなかでも拡散性が高いプラットフォームといえます。月間利用者数は4,500万人で10代~30代の利用が活発です。
Twitterには、以下の機能があります。
Twitterは、拡散性の高さからハッシュタグやリツイートを利用したキャンペーンを実施しやすく、キャンペーンをきっかけにフォローするユーザーも多いです。またTwitterの消費者調査では、4人に3人以上がTwitterでの会話をきっかけに購買に至ったと伝えており、ツイートがユーザーの購買行動に影響を与えていることがわかります。
※参照:https://twitter.com/TwitterJP/status/923671036758958080
Facebookは、実名登録制のSNSです。本名で登録しなければいけないため、知人やビジネスパーソン向けのコミュニティとして利用されています。月間利用者数は2,600万人で、30代~40代のユーザーが多い傾向です。
Facebookには、以下の機能があります。
企業サイトのリンクを掲載したり、写真や動画を投稿したり企業向けの機能が充実しています。Instagramと連携して利用することも可能です。結婚や転職などライフスタイルの変化を報告するユーザーも多く、友人とのやりとりの場として長く利用するユーザーが多いでしょう。
YouTube
YouTubeは、動画を共有できるSNSです。パソコンやスマートフォンに限らず、テレビでも視聴できるため、公式チャンネル開設など企業の利用も増えています。月間利用者数は7,000万人で、総務省の調査では10代~50代での利用率が8割を超えており、幅広い年代層に利用されています。
YouTubeで利用できる機能は、以下のとおりです。
YouTubeは、長尺の動画を投稿できるため多くの情報をユーザーに届けられます。そのため、ファン化などにつながりやすいでしょう。ただし動画を作成しなければいけないため、他のSNSに比べて投稿のハードルが高いといえます。
参照:YouTube が人気な理由とは – Think with Google
TikTok
TikTokは、ショート動画を投稿できるSNSです。TikTokの特徴としては、エフェクトが豊富で気軽に投稿しやすいことがあげられます。月間利用者数は1,700万人で、10代を中心としたZ世代に多く利用されています。
TikTokの主な機能は、以下のとおりです。
企業とタイアップしたブランドエフェクトやハッシュタグを使ったキャンペーンを実施して、認知拡大や話題性を高めることが可能です。
LINE
LINEは、ユーザー同士のコミュニケーションツールとして利用されているアプリです。SNSのなかで利用者数が最も多く、連絡手段のひとつとして活用されています。
月間利用者数は9,300万人で、総務省の調査では10代~50代の利用率は9割を超えています。そのため、LINEは幅広い年齢層にリーチできるSNSです。企業で利用する場合は、ビジネス向けのLINE公式アカウントを作成しましょう。
LINE公式アカウントの機能は、以下のとおりです。
ユーザーの問い合わせ対応がしやすく、クーポン配布やスタンプカード機能など集客に役立つ機能が豊富に揃っています。
▼LINE公式アカウントでの集客については、以下の記事をご覧ください。
集客に最適なSNSを選ぶコツ
SNSを活用するときは、自社の商品やサービスのターゲット層の集客が見込めるプラットフォームを選ぶことが重要です。最適なSNSを選ぶコツとしては、以下があげられます。
例えば美容クリニックを運営している場合は、美容ジャンルに関心が高いユーザーが多く、20代~30代の女性がアクティブなInstagramが最適です。また飲食店の運営であれば、興味を持っているユーザーに対して新メニューやキャンペーンを訴求したり、既存顧客に向けてクーポン配布ができたりと集客導線を設計しやすいLINE公式アカウントを利用するのもひとつの手といえます。
ただし集客に利用するSNSはひとつに絞る必要はなく、いくつか並行して運用することがおすすめです。まずは、メインで利用するSNSを選び運用になれてから、他のSNSを利用してみるとよいでしょう。
SNSを活用した集客に成功した企業の事例を3つ紹介します。SNSでの集客施策を検討する際に、お役立てください。
【事例1】Instagram:トヨタ自動車株式会社
引用元:トヨタ みんなのトヨタグラム
大手自動車メーカーのトヨタは、Instagramに投稿されているUGCを活用してファンマーケティングをおこなっています。公式サイトのコンテンツとしてInstagramでの投稿を紹介。
引用元:トヨタ みんなのトヨタグラム
ユーザーに「#トヨタグラム」をつけて投稿してもらい、公式サイトで取り上げています。車との暮らしをさまざまな角度から紹介し、車の魅力を伝えています。公式サイトに掲載されているユーザーの投稿をクリックすると「車種ページ」「WEB見積り」「試乗車検索」のボタンが表示され、投稿を見て気になった車に関してユーザー行動を促す導線が用意されています。
トヨタはUGCを活用した成功事例といえるでしょう。
【事例2】Twitter:シャープ株式会社
電機メーカーのシャープは、Twitterでユーザーとのコミュニケーションや、フランクなツイートが話題を呼んでいます。
一般的な企業アカウントは、商品の紹介などのツイートが多くなってしまいがちですが、ユーザーのツイートをリツイートしたり、返信したりと積極的にコミュニケーションを取っています。「シャープさん」との愛称で呼ばれており、ユーザーとの距離が近い運用方法が、ブランドや商品の認知拡大やファン獲得につながっています。
参照:https://twitter.com/SHARP_JP
【事例3】LINE公式アカウント:医療法人社団育麗会 椿クリニックグループ
美容クリニックを運営している椿クリニックは、LINE公式アカウントで予約を希望しているユーザーと連絡を取り、来店予約につなげています。これまで電話やメールで予約受付をおこなっていましたが、予約確定までに連絡が取れなくなってしまうユーザーも多く、来店予約の取りこぼしが起きてしまう課題を抱えていました。
LINE公式アカウントを導入し、来店予約の窓口として活用したり、来店してから時間が経っている既存顧客向けにクーポン配信を実施したりと集客に活用しています。
▼美容クリニックでのLINE公式アカウント活用事例
予約を電話・メールからLINEに。コンタクトが途切れないため来店率UPへ
企業のSNS運用は、これまで商品やサービスを認知していなかった層へのアプローチや、ユーザーと接触する機会を増やし見込み顧客の育成につながります。一方で運用を始めたもののアカウントのフォロワーが増えず、想定していたリーチ数に届かないといった課題もあるものです。
失敗を防ぐために気をつけておくべき点は、以下のとおりです。
SNS集客の注意点を詳しく解説します。
【注意点1】KGI・KPIを設定し施策を定期的に見直す
SNSでの集客を成功させるためには、すぐに投稿を始めるのではなく、まずは目標を設定しましょう。
目標を設定するときは、ゴールであるKGI(経営目標達成指標)とゴールの達成度合いを確認するためのKPI(重要業績評価指標)を決めます。例えば、商品やサービスの認知拡大であれば、ブランドの認知度向上をKGIに設定し、KPIにリーチ数やインプレッション数、UGC数を設定しておくとよいでしょう。定期的にKGIとKPIを見直し、ユーザーからの反響が少ないようであれば集客施策を改善しながら運用すると失敗を防げます。
【注意点2】運用ルールを決めておく
SNSはユーザーとの距離も近く、炎上などのトラブルが発生する恐れがあります。
思わぬトラブルを防ぐためには、専任の担当者を配置し、1日の投稿数や運用する時間帯、投稿の方向性など運用ルールを決めておきましょう。万が一トラブルが発生した際の対応方法なども部署内で定めておくと安心です。運用に悩んでしまったときは、マーケティングツールの導入や外注も視野にいれておくとよいでしょう。
【注意点3】集客への導線を作る
SNSから集客につなげるためには、集客導線の設計が欠かせません。自社のアカウントをフォローしているユーザーの行動から集客導線を考えましょう。商品購入が目的であればECサイトへ、店舗への来店が目的の場合は来店予約の窓口に誘導します。
SNSによってECサイトや予約システムとの連携方法が変わってくるので、事前に調べておきましょう。SNSのアカウントが育ってきたときに、集客に誘導できていなければ思ったような成果が上がりません。そのため、集客導線の設計は重要です。
【注意点4】効果が出るまでに時間がかかる
SNS運用で注意したいのが、集客などの効果が出るまでに時間がかかる点です。
SNSでの集客を成功させるためには、まずはターゲットとなるフォロワー数を増やし、多くのユーザー投稿を届ける必要があります。
すでに認知度が高く、ブランドのファンが多い場合は、フォロワーが増えるまでに時間がかからない場合もあります。
しかしフォロワー獲得には時間がかかることが多いため、中長期的に運用することを念頭に置いておきましょう。
集客手法はさまざまありますが、オンライン上での集客施策として取り組んでおきたいのがSNSです。SNSは無料で利用できるため、コストをかけずに実施できます。さらにSNSを活用することで、商品やサービスの認知拡大や顧客育成をすることが可能です。
SNSで集客を成功させるためには、自社の商品やサービスに最適なSNSを選び、まずは自社のアカウントを育てましょう。
Micoworks株式会社
ビジネスマーケティング部 Director
大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。
"MicoCloud"を提供する"Micoworks株式会社"は、
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