購買体験の新潮流〜カンバセーショナルコマースとは

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Cコマース

MARKETING

コロナ禍をひとつのきっかけに、ネットショッピングの利用者が短期間で急増しました。

多様なECサイトで多様な製品・プロダクト・サービスが展開されていますが、消費者があまりの情報量の多さに惑わされ、知りたい情報を得られないことにストレスを抱えてしまうシーンも少なくはないようです。

 

それが結果として「購入しない」という選択を選んでしまうことも…。消費者が求めるコミュニケーションをいち早く理解し、信頼できる企業・ブランドになるには今、カンバセショナル コマースへの理解と対応が求められています。

 

本記事では、カンバセーショナル コマースの概要から消費者への調査で分かったこと、企業が取り入れたいツールについて詳しく解説します。

カンバセーショナル コマースとは

カンバセーショナル コマースとは、メッセージ・チャットアプリやWebサイト、音声チャネルなどを通してユーザーと対話をしながら購買行動を促す、会話型コマースのことを言います。近年、ユーザーの価値観や思考、行動やライフスタイルは非常に多様化しており、同じメッセージを送っても大きな効果を得ることはできません。消費者はパーソナライズされた経験を求めており、一人ひとりに適切なメッセージや提案が必要になっているのです。

カンバセーショナル コマースを重視すべき理由

なぜ、今カンバセーショナルコマース(以下、Cコマース)が必要とされているのでしょうか。オンラインメッセージングやマーケティング、分析に関するアプリケーションを開発・提供しているアメリカの企業・LivePersonが2021年、独自に行った調査(※)では、次のことがわかっています。

  • 世界中の83%がメッセージングによる会話で商品を閲覧したり購入したりしている。
  • 74%の消費者は、電話よりメッセージでやりとりできる方が、そのブランドの商品・サービスを買う可能性が高まる。
  • 消費者の77%はメッセージングで閲覧や回答が得られた場合、購入に至る可能性が高い。
  • 消費者の78%が、ブランドと安全にメッセージのやりとりができる機能が欲しいと考えている。
  • 63%の消費者が企業とのメッセージングによって、個人的なつながりを感じると回答している。
  • 消費者の58パーセントがメッセージでカスタマイズされたセールやクーポン、オファーを提供する企業にポジティブなイメージを持っている。

これらの事実を踏まえると、消費者の購買体験をより向上させ、より良い関係性を築いていくためには、Cコマースへの転換が必要不可欠になってくると言えるでしょう。競争が激化するEコマース市場において、競合他社より存在感を強め、選ばれる企業になるには、消費者のニーズをしっかり汲み取り、そこへ合わせた戦略をスピーディに構築していく必要があります。そのひとつがメッセージングであり、消費者に寄り添ったサービスの提供が求められているのです。

※アメリカ(2,105回答)、イギリス(752回答)、フランス(509回答)、ドイツ(534回答)、日本(516回答)、18歳以上の消費者を対象とし、6カ国5,172人が回答

EコマースとCコマースは“共存させる

EコマースとはElectric Commerceを略した言葉で、日本語でそのまま訳すと電子商取引と言います。ネットショッピングやイートレードとも呼ばれ、インターネットを介して契約をしたり、購買をしたりする取引の形態の総称です。最近ではスマートフォンやパソコンからショッピングをする人も増え、「EC」という言葉を耳にする機会も大幅に増えましたが、経済産業省が公表している「令和3年度デジタル取引安協整備事業(電子商取引に関する市場調査)」では、市場規模が20.7兆円と前年比7.35%増、年々拡大し続けています。

Cコマースは会話型のコマースであるため、Eコマースに取って変わるものではありません。現在のEコマースに加え、新たな購入方法として、ユーザーの購買体験における選択肢を増やすイメージです。Eコマースを展開している企業は、顧客満足度を向上させる施策のひとつとして、従来のEコマースのサイトやアプリにチャットなどのパーソナライズできる機能を追加しても良いかもしれません。

なぜ、今カンバセーショナル コマースに取り組むべきなのか

先ほどご紹介したLivePersonの調査では、消費者の購買体験に関して次のような調査結果が上がっています。

  • 多くの消費者はCookieを使用して個人情報の取得や購買行動を追跡するブランドは信頼できないと思っているが、メッセージを介して情報を求めるブランドには信頼をおいている。
  • 多くの消費者は、ブランドがメッセージを通して積極的に連絡を取り合うことに満足している。
  • 消費者の77%が理想とするショッピングの体験は部分的にデジタルであるべきだと述べている。
  • 消費者の55%が、デジタルを好む場合もあれば、人との対話を好む場合もあると回答している。

消費者が実際に使用しているデジタルチャネルはメール(76%)やテキストメッセージ(41%)、ソーシャルメディア(33%)などが主流でしたが、個別メッセージングの需要は年々増加しており、ブランドにメッセージを送信した消費者は前年度より5%増えていることがわかっています。

世界中の多くのブランドが消費者とのつながりを強化するために自社のWebサイトやアプリへチャットbotを取り入れていますが、このレポートでは、消費者が製品やサービスを見て、購入するためのメッセージングについて、より関心が高くなっていることが示されています。

また、チャットbotでの会話について、消費者としては便利で素早く回答がもらえることをポジティブに捉えているものの、すべての質問に対して回答を得られないこと、人間味に欠けること、パーソナライズされていないことを懸念点としてあげています。

もっとも重要なのは、世界中にいる多くの消費者がメッセージのやり取りによって契約や購入ができるブランドを好意的に捉えており、ますます消費者はパーソナライズされた体験を求めているということです。

パーソナライズといってもCookieやターゲティングで興味関心のある製品の提案をされるのではなく、消費者は細かな相談や具体的な好みに関する個人的な会話という、“体験”を重視しています。つまり、多くの消費者はデジタルへの移行を望みつつ、あたたかく、人間味のある共感的な会話を求めているのです。

カンバセーショナル コマースに対応するためのソリューションとは

では、企業が消費者とコミュニケーションを取りながら顧客満足度を最大化するCコマースへ移行するには、どのようなツールを使用すればいいのでしょうか。アプリ制作やチャット機能の追加は、時間もコストもかかり、なかなかすぐに手を出せるものではありません。そこで活用したいのが企業公式SNSです。中でも、特に検討すべきなのは利用者数9,400万人を誇り、老若男女、多くのユーザーが日常的に利用しているLINEです。

LINE公式アカウントを活用する企業は年々増えており、友だち登録したユーザーに対して新商品やキャンペーン配信に活用できます。

しかし、LINE公式アカウントの基本機能だけではカンバセーショナルコマースに対応できているとは言えません。例えば1対1のチャット画面ではアイコンは企業ロゴ、名前は企業名です。これでは相談している相手が誰なのかがわからず不信感につながりますし、本当に1人の相手とチャットしているのか不安を与えてしまいます。

また、友だち登録数が数千人〜数万人と規模が大きくなってくると管理も煩雑になってきます。複数の担当者がそれぞれ同じアカウントにログインし、昨日までやりとりしていたユーザーを検索してチャットを続けないといけません。友だち一人ひとりに対する担当者ラベリング機能や、担当者ごとの権限管理も必要になります。

こうしたLINE公式アカウントをより有効に、戦略的に利用して、顧客との関係性を構築し、1to1コミュニケーションをはじめとする様々な機能とサポート体制を提供するMicoCloudは、Cコマース時代に最適なサービスと言えるでしょう。

MicoCloudのカンバセーショナル コマース活用事例

EC業界

LINE公式アカウントだけの機能では、友だち一人ひとりに対して自由にタグを付与することはできません。複数ジャンルの商品を扱うECの場合、友だち登録したユーザーがなんの商品に興味を持っているかがわからず、結果的に一斉配信となり反応率が悪い・通数課金によるコスト増大が課題となっています。

MicoCloudなら登録時のアンケートや配信タップ履歴でタグ付けができるため、一人ひとりの興味にあった配信や1to1チャットで直接コミュニケーションをとることができます。

参考記事:株式会社SOLIA様導入事例

人材業界

人材業界の特徴として、会員登録していただいた後は、キャリアアドバイザーに担当を振り分ける必要があります。その後LINE上で1対1のコミュニケーションをするわけですが、MicoCloudなら一つのアカウント内で別々の担当者に振り分けて、キャリアアドバイザーと求職者が1to1で簡単にやりとりすることができます。

参考記事:株式会社ナースステージ様導入事例

塾・教育業界

塾業界のLINE公式アカウントは集客用と塾生向けに分けるのが主流ですが、アカウントが複数存在することで通数課金によるコスト増・管理の煩雑さが課題です。

MicoCloudなら1つのLINE公式アカウントで入塾前・入塾後の方それぞれにメニューを出し分けることができます。友だち一人一人にタグでラベリングし、入塾前であれば問い合わせや資料請求に対してカスタマーサポートが1to1で対応、入塾後は通っている塾の担当者が保護者と1to1チャットを行うことができます。

他にも、入塾前の方には体験予約訴求をメニューに表示する・入塾後の方には今月の受講カリキュラムをメニューに表示することでペーパーレスにつながり、保護者の利便性も高まります。

参考記事:パンセフロンティエル様導入事例

一人ひとりにあった購買体験を提供する

数多くの製品やサービスが提供されている現代において求められるのは、シームレスかつデジタル化されたパーソナライズ体験です。ユーザーの生活に密着したLINEを活用し、適切なコミュニケーションを取ることで、消費者と強固かつ持続的な関係を築いていきましょう。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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